内容説明
本書は、西部邁氏に「日本国憲法」を一語ずつゆっくりと解釈していただいた、とある研究会の記録である。言葉の意味、その意味を支える長い歴史、その歴史をつくってきた日本人の経験、そうしたすべてのものに配慮しながらこの文章を読むという試みは、非常にシンプルではあったが、当然のことながら、日本語、英語、日本の歴史、諸外国の歴史、各国の思想など、非常に広い範囲での参照点を必要とする作業となった。日本語で「日本国憲法」をしっかりと理解すること、そこから見えてくる歴史の痕跡をじっくりと追いかけること、それをまたわたしたちの新たな経験として落ち着けること、それがしっくりと身に馴染んだとき、やっとそこから「改正」の話が始まるのである。本書では第九条までを収録。
目次
1 憲法とは何か
2 前文逐語解釈(第一段落(国民主権論)
第二段落(平和主義)
第三段落(国際主義))
3 第1章 天皇逐語解釈(第一条(天皇の地位と主権在民)
第二条(皇位の世襲)
第三条(内閣の助言と承認及び責任)
第四条(天皇の権能と権能行使の委任)
第五条(摂政)
第六条(天皇の任命行為)
第七条(天皇の国事行為)
第八条(財産授受の制限))
4 第2章 戦争の放棄逐語解釈(第九条第一項;第二項)
著者等紹介
西部邁[ニシベススム]
1939年北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。東京大学教養学部教授を経て評論家に。94年から05年3月まで雑誌『発言者』の主幹を務める。秀明大学学頭。現在、雑誌『表現者』(イプシロン出版企画)顧問。著書に『経済倫理学序説』(中央公論社、吉野作造賞)、『生まじめな戯れ』(筑摩書房、サントリー学芸賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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