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目次
生命
論理と生命
生の哲学について
著者等紹介
西田幾多郎[ニシダキタロウ]
明治3(1870)年生まれ。明治27(1894)年帝国大学文科大学哲学科選科修了。明治44(1911)年『善の研究』出版(弘道館)。大正2(1913)年京都帝国大学文科大学教授となる(宗教学担当)。文学博士の学位を受ける。大正3(1914)年京都帝国大学文科大学哲学担当教授となる。昭和3(1928)年京都帝国大学停年退職。昭和4(1929)年京都帝国大学名誉教授となる。昭和20(1945)年死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
「生命」「論理と生命」「生の哲学について」の3論文を収めた本書は、言語における矛盾を言語以前の創造の端緒とし、自己差異化する自然として生命を捉える。一方、差異化した効果としての個物は環境と生命が一つであることで持続するとして、言語的分割を前提とした独立的な主体を退け、自己を限定していく世界の形成作用へ注意を向ける。生命は自らを維持するために個物を道具化する方向に進み、ヒトなる種は言葉という道具によってさらに共同性を成立させたと解する著者には、生命を維持する身体が絶対無(死)に触れることへの強い自覚がある。2025/01/19
雁林院溟齋居士(雁林)
0
西田幾多郎の生命論集。生命を主題とした三つの論文と掌編の書に関する随筆が入っている。一読して矢張り西田は凄い哲学者だと感心させられた。「生命」や「論理と生命」は後期のもので、生物や人間の生命について論じているが、此の時期の西田が最も根源的だと考える歴史的世界、矛盾的自己同一、身体と道具、ポイエーシスとしての行為的直観等を巡って、西田哲学の中心概念の精華とも言うべき内容になっている。個人的には、西田がベルクソンの記憶論をそのまま踏襲している所やラヴェッソンの習慣論を多く論及して賞賛する所等大変面白かった。2013/06/18