内容説明
窓に目を向けると、ガラス越しに灯りが見える。団地の四角い窓が、縦に横に、整然と並んでいる。台所で、中年の女が立ち働いている。晩飯の支度をしているのだろう。その下の部屋にテレビの画面がみえる。子どもの頭がふたつ並んでいる。その横の部屋は青いカーテンが引かれている。その下の部屋、その横の部屋。俺もあのひとつになるのか。胸に苦く、虚ろな空気がしみ出してくる。良二、十五歳の冬だった…。大型新人デビュー作。
著者等紹介
杉本隆[スギモトタカシ]
1961(昭和36)年、東京都新宿区生まれ。高校中退後、バンドマン、造園業、テキヤ、出版社勤務、編集プロダクション経営等さまざまな職業を経て、93年よりフリーのライターとして活動。人物評伝、スポーツを中心に幅広い執筆活動を展開する。『あのときの空』が小説デビュー作(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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