内容説明
フクシマをより多くの人へ、より幅広い世代へ。体育館に残されたピアノ、お母さんと隣町までしか逃げられなかった大型犬、放射能汚染ゴミの詰まった黒い袋、見る人のいなくなったサクラたちが、誰もいなくなった淋しさのなかでつぶやくひとりごと。
著者等紹介
菊池和子[キクチカズコ]
1945年中国石門市(現河北省石家荘)生まれ。東京学芸大学卒業後、東京都公立小学校教諭となる。48歳のときから夜間の写真学校で学ぶ。54歳で教職を辞し、ポルトガル・リスボン市で6年間暮らす。2008年に帰国(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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かおりんご
22
写真絵本。福島第一原発の近くでのお話。無生物を主人公にして、短い逸話を紹介。読んでいくうちに、あれやこれやと考えてしまい、うるっとなる。過去は変えられないが、未来は変えられる。自分の住む街に、いつまでも住めるようにするためには、どうすればよいか考え、行動していくことが大事。2022/05/21
ふじ
14
写真家による、物に着目したフクシマ(カタカナ表記は絵本に拠る)の記録絵本。残された物。寄り添った物。取り壊された物。想像力があればあるほど、読んでいてしんどくなる。一枚一枚の写真が目をひく。特にトラクターに乗るおじいちゃんの鋭い眼光に、それまでの暮らしを感じ、今は果たして…と思わされた。2020/07/31