内容説明
自殺者が3万人を超えて久しい。これは、すべてを因果律で考え、あらかじめ想定した未来に向かってまい進することを良しとし、物事が予定どおり進まないことを悪と考える現代の日本社会が生んだ歪みであろう。「最大多数の最大幸福」という西洋的な考え方が世の中に跋扈し、もっと早く、もっと便利に、もっと豊かに…という欲望の坩堝に入ってしまっている日本人。本来、日本人はもっと偶然を楽しみ、人との関係性を大切にし、その関係性の中でしあわせを感じていた。生きることに息苦しさを感じている人に贈る一冊。
目次
第1章 日本人本来のしあわせ観とは(「しあわせ」はいつから「幸福」になったのか;機心の発生 ほか)
第2章 システム化によって失われゆく日本人らしさ(シルバーシートが奪ったもの;システム化するということは心が死ぬこと ほか)
第3章 なぜ日本人はしあわせと思えないのか(「私」を結びすぎた「個性」;「私」ができると、「汚い」も生まれる ほか)
第4章 禅が考えるしあわせ(仏教が開発した「私」をほどくための方法;言葉で説明しない東洋の宗教 ほか)
第5章 息苦しいいまを生きるために(七癖が転じた七福神;七福神という集団がしあわせを作る ほか)
著者等紹介
玄侑宗久[ゲンユウソウキュウ]
1956年福島県三春町生まれ。安積高校卒業。慶應義塾大学中国文学科卒業。さまざまな仕事を経験したあと、京都・天龍寺専門道場に入門。現在、臨済宗妙心寺派福聚寺住職。2001年「中陰の花」で第125回芥川賞を受賞。仏教や禅にまつわるエッセイや対談本も多い(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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