内容説明
私は恐ろしくて、おなあちゃんから逃げた。命を助けてもらったのに…。それ以来、心の奥に刺さったままのとげがある。東京大空襲を生きのびた少女の実話。
目次
おなあちゃん
お国のために
悲しい国
三月十日
ピアノ
白いかげ
すみれ色のもんぺ
灰色の町
ふたり
地下道暮らし
さよなら
大家族
牛肉ざんまい
終わりの始まり
まんじゅう売り
著者等紹介
多田乃なおこ[タダノナオコ]
1962年福岡県生まれ。慶應義塾大学卒。出版社勤務を経て、現在、フリー編集者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ゆず
10
東京大空襲の悲劇をお涙頂戴風味で描いた所謂戦争話かと思いきや!餅菓子屋のお嬢ちゃんが恩人を見捨てるお話でした。児童書としてはどうなんだろう?戦争で儲けた人々もいるのだと感じた。直接的表現はないが、金持ちはいつの時代もどんな災難にもやはり有利に出来ている。辛口でごめんなさい。でも戦争の本当の恐ろしさは情報規制や、教育の偏り、そこから来る人格の歪みにこそ潜んでいる。はて、お父さんは何故兵隊にとられなかったのかしら?http://ameblo.jp/yuuzu-7/entry-12067035654.html 2015/08/29
ushikubou
0
3月10日、東京大空襲。深川で被災をした少女の思い出を綴った話。少女のせっちゃん視点で書かれているが、空襲の後に必死で世話をしてくれた「おなあちゃん」を見捨てて、豊かな親戚の元に戻る結構残酷な話。おなあちゃんは、せっちゃんが突然いなくなってから何を感じ、どのように生きていたのだろうか。2017/10/01
メガロパ
0
少女の戦争体験なのだけど物語として十分な読み応え。おなあちゃんみたいな人、昔からいたのね。今だったらもっと生きやすいのに。2012/11/05
ゆうこママ
0
東北大震災のあとにもう一度読み直しました。2011/03/10