内容説明
満洲と帝国日本、その狭間で揺れ動き、沈黙を強いられた在満作家たち、そして忘客された日本文学―その系譜を気鋭の研究者が鮮やかに浮き彫る。
目次
序章 膨張し続ける帝国の文学―忘却と誤読の文学を読み返す
第1章 満洲建国イデオロギーの諸相と限界―在満日本人の心情と防御の論理
第2章 国策文学の「越境」―国家統制からの逃避と亀裂
第3章 朝鮮人の満洲移民の記憶と帝国の在り方―張赫宙『開墾』論
第4章 武装移民の逆説―湯浅克衛「先駆移民」論
第5章 「包摂」と「排除」の満洲移民―打木村治『光をつくる人々』論
第6章 農村問題解決から戦争遂行への傾倒―和田伝『大日向村』と徳永直「先遣隊」
終章 国策文学の限界と可能性
著者等紹介
安志那[アンジナ]
1977年、韓国ソウル生まれ。東京大学総合文化研究科博士課程修了。博士(学術)。現在、淑明女子大学非常勤講師および嘉泉大学アジア文化研究所研究員。専攻は日本・韓国近現代文学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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