内容説明
フェルメールの描いた情景を、私たちはどのように感じとっているのだろうか。画家の信念と幾何学とを図学的な手法で結びつけ、絵画の規範としての見えない秩序を構図から読み解こうとする試論。
目次
第1章 絵画の透視図法(透視図法と構図;視覚経験の可視化;仮想の建築;優れた技法書;絵画を分析する)
第2章 フェルメールの絵画空間(フェルメールの構図;近景に描く;奥行きを描く;距離の違いを描く;タイルの床を描く)
第3章 カメラ・オブスクラの役割(カメラ・オブスクラの存在;インスピレーションの源;調和と黄金比)
第4章 絵画の規範(比例と平面幾何;“聖プラクセディス”の分析;フェルメールの贋作)
著者等紹介
佐藤紀子[サトウノリコ]
茨城県生まれ。1997年女子美術大学芸術学部絵画科日本画卒業。1999年東京藝術大学大学院美術研究科造形理論(図学)修士課程修了。2012年東京藝術大学大学院美術研究科美術専攻芸術学研究領域(美術教育)博士後期課程修了。博士(美術)。東京工科大学メディア学部助教を経て、女子美術大学特任助教、東京藝術大学非常勤講師。日本図学会、美術教育研究会、日本バーチャルリアリティ学会、JIAS日本国際美術家協会会員。美術家としては第53回欧美国際公募スペイン美術賞展(コミージャス、2021)、第21回日本・フランス現代美術世界展(六本木、2020)第33回パリ国際サロン2020(パリ、2020)などに出品(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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