内容説明
なぜ、鉄道や団地、天皇制にこだわり続けるのか―。影なる存在に魅了された政治学者の基軸にせまる。
目次
1 昭和史への連結
2 東アジアからの眼
3 天皇という磁場
4 私の邂逅記
5 時刻表片手に駅そばを
著者等紹介
原武史[ハラタケシ]
1962年、東京生まれ。早稲田大学政治経済学部を卒業後、国立国会図書館職員、次いで日本経済新聞東京本社社会部記者となり、昭和天皇の最晩年を取材する。のち東京大学大学院博士課程中退、東京大学社会科学研究所助手、山梨学院大学助教授、明治学院大学助教授を経て、同大学国際学部教授。2008年4月から12年3月まで同付属研究所所長。専門は日本政治思想史。著書に『「民都」大阪対「帝都」東京』(講談社選書メチエ 1998年、サントリー学芸賞)、『大正天皇』(朝日選書 2000年、毎日出版文化賞)、『滝山コミューン一九七四』(講談社 2007年、講談社ノンフィクション賞/講談社文庫2010年)ほか多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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HANA
37
政治学者の書評、エッセイ集。書評は主に近代日本の政治に触れられている本が多く、イデオロギー的に微妙な問題を含む本が多く、また著者のイデオロギーを考えながら読まなければならない本が多いように感じる。それでも何冊かはイデオロギーに距離を置きたい自分でも、読んでみたいと思える様な本が紹介されて興味深かった。鉄道の部分は…まあ駅そば食べ歩きの旅とかは面白く読めたけど、その他は…。テツと呼ばれる人種と自分との間には、深い断絶があることが証明された気分。百間先生とか宮脇俊三に触れた部分は面白く読めたんだけどね。2013/10/31
hiratax
2
昭和64年1月7日、著者は釜山の安宿にいた。日経新聞の皇室記者を行っていたが、大学院進学のために退社。Xデーへ向けての重苦しい空気から逃れるように関釜航路で韓国へ渡ったという。著者の自分史が時折挟まれる。山梨学院大へは横浜から通っていたという。これ電車に乗りたかったのでは?とツッコミも。天皇陵を撮った写真集、伊那英次「emperor of japan」の話は初めて知る。2014/10/29
Guro326
1
電車話もそうだけれど、文体が好きなんだよなあ。2013/03/29