内容説明
昭和20年敗戦―。焼跡に「みすず書房」を立ち上げた出版人が記す“普遍的な現在”。本のかたち、時代や社会のかたち、人のかたちを見つづけた歳月。
目次
1 機縁の人びと(柊会のころ―追悼・丸山眞男;丸山眞男『戦中と戦後の間』の編集者として ほか)
2 著者の書斎(瀧口修造の微笑;片山敏彦の気品 ほか)
3 戦争と非暴力について(フランクル『夜と霧』序;ロングセラー『夜と霧』 ほか)
4 都市と書物と文明(四月のロンドンで―EUの本の流れを見る;春のパリの書籍市―“サロン・ド・リーブル”「日本」週間の印象から ほか)
5 本と人(山路愛山の「隔離的精神」;明治出版人の起業感覚―田口卯吉(鼎軒)の「経済雑誌社」の場合 ほか)
著者等紹介
小尾俊人[オビトシト]
大正11(1922)年、長野県に生まれる。昭和15(1940)年、十九歳で上京、羽田書店に入る。18年12月、学徒出陣で入隊、暁部隊(通信隊)に属す。敗戦後、山崎六郎、清水丈男とともに「みすず書房」を創業。いらい編集責任者を四十五年つとめ、平成2(1990)年に退職(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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メルセ・ひすい
2
12 95 編集者としての著者の自伝的回想録。 みすず書房は素晴らしい。 永久に存続してほしい。 みすずの本を手にしただけで 顔がほころぶのは何故? 昭和20年敗戦。戦後の焼跡に「みすず書房」を立ち上げた出版人・小尾俊人が記す「普遍的な現在」。本のかたち、時代や社会のかたち、人のかたちを見つづけた歳月…。‘69国連大19回総会於・ゲバラは、キューバ代表として演説・グラナダの最後のカリフ母の息子への言葉・『お前が男として守備するすべを知らなかったこの都のために、女々しく泣くな』と。2010/01/20