内容説明
アル中の父と精神病の母に放り出され、患者のような精神科医の奇妙な家で過ごした、痛ましくも可笑しい少年時代。青野聡入魂の訳による、小説よりも奇なる回想記。全米期待の大型新人による新感覚ノンフィクション。
目次
なんかおかしい
ネイビーブレザーの少年
自愛の間
ぼくのショックを想像してみてくれ
清潔魔
水を加えるだけ
燃えつきることのない柴
純粋な投影
誤診で育った
思春期直前版セックスの喜び〔ほか〕
著者等紹介
バロウズ,オーガステン[バロウズ,オーガステン][Burroughs,Augusten]
1965年生まれ。テレビショッピング業界を舞台にした処女小説“Sellevision”(2000)でデビュー。その後、『ハサミを持って突っ走る』が「ニューヨーク・タイムズ」のベストセラーリストに52週連続ランクインして注目を浴びる。2004年4月、「エンターテインメント・ウィークリー」の「アメリカで最もおもしろい人物25人」に選ばれる
青野聡[アオノソウ]
1943年東京生まれ。早稲田大学中退。作家。多摩美術大学教授。’79年「患者の夜」で芥川賞受賞。「女からの声」で野間文芸新人賞、「人間のいとなみ」で芸術選奨文部大臣賞、「母よ」で読売文学賞を受賞する
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
nuit@積読消化中
90
「これこそアメリカだ、生きてる本当のアメリカがここにある」と翻訳者も語っている。もちろん、アメリカ人が全員こうだと言ってるわけではない。登場人物全てが精神に何かしら疾患をもっていて強烈。これが全員実在しており、著者の10代の実体験だというから驚き。10年前に映画で観た時はグウィネス・パルトローなどが出演する青春シニカルコメディとして楽しく観た記憶があるが、原作は若干引いてしまうような“シニカル”が色濃く出ている。80年代はこんなのがゴロゴロしてたんだろうなぁと特異な環境で過ごした著者に憧れすら感じました!2017/09/25
新地学@児童書病発動中
6
笑える。登場物たちの型破りな生き方が面白い。2009/10/17
koutaquarter
5
こういう生き方が成立しうるのか、という衝撃。自叙伝だけあって一本道のストーリーはないけど、アップダウンとカーブの激しいジェットコースターのような、一見コミカルながらその実凄絶な少年時代が描かれる。これだけイカれたファミリーの中で育った主人公のイカれ度合いが致命的なレベルに至らなかったのは子ども特有の(いい意味でも悪い意味でも)驚異的な順応性もあったろうが、多分に幸運の要素もあったのだろうな、と。序盤、価値観が半ば強制的に押し下げられるシーンは、これを書いたということは作者も自覚的だったのだろうか。2013/10/04
樽
4
『ひとの気持ちが聴こえたら』の作家の弟が書いた本ってことで手にとったけど、翻訳者がなんだか主張が強いタイプっぽくて、マリファナをいちいち「マリュハナ」って表記したりする。これだけ人口に膾炙してるんだから、べつにマリファナでよくね?それとも、違うもの?2023/06/07
DEE
3
ぶっ飛んでるというか、読み始めたときは意味がよく分からなかった。 でも、だんだんとこのノリに慣れてくるとちょっと止められなくなる。 これが自伝というのだから、凄まじいものがある。2016/12/04