内容説明
古代から現代に至るまで“個体とは何か”が問われ、多様な変容を被ってきた。とくに中世から近代への転換期には個体論に関する多くの考えが示された。本書ではその中でも、後世に大きな影響を与えたスコトゥスの個体論に忠実に解説するとともに、それに批判を加えたオッカムの『センテンチア注解』の中から核心部分を選び、ラテン語との対訳と詳細な注解を付した。さらに解説では、学界の最先端で問題となっている“スコトゥスの二つの個体論”について考察し、訳者独自の見解を展開する。
目次
オッカム『センテンチア註解』第1巻第2区分第6問題
スコトゥスの見解
スコトゥスの主要な結論のための論証
スコトゥスの見解に対する反論
スコトゥスの言明に対する反論
著者(オッカム)自身の解答
スコトゥスの論証に対して
主要な議論に対して
訳者註解
解説 スコトゥスの二つの固体化の理論
著者等紹介
渋谷克美[シブヤカツミ]
1948年生まれ。金沢大学大学院文学研究科修士課程修了。京都大学博士(文学)。1991‐92年UCLA(カリフォルニア大学ロスアンジェルス校)客員研究員。現在愛知教育大学教授
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