黄金の魚

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  • サイズ B6判/ページ数 283p/高さ 20cm
  • 商品コード 9784860730109
  • NDC分類 953
  • Cコード C0097

内容説明

ある日、突然、汚れた暴力の手で捉えられ、売られた少女ライラ。幼くして過酷な現実の中に投げ込まれ、さまよいながらも、一匹の黄金の魚のように健気に生き抜く少女の、愛と哀しみの成長物語。

著者等紹介

ル・クレジオ,J.M.G.[ルクレジオ,J.M.G.][Le Cl´ezio,J.M.G.]
1940年、フランスのニースに生まれる。父は英国人医師、母はフランス人。18世紀にアフリカのモーリシャス島へ移住したブルターニュ人の血を引く。7、8歳の頃から詩や物語を書き始め、1963年に小説『調書』でルノドー賞を受け、文壇にデビュー

村野美優[ムラノミユウ]
1967年、福岡県生まれ。87年、武蔵野美術短期大学卒業。94年、アテネフランセ・ディプロム取得。2000年、上智大学仏文学科卒業
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感想・レビュー

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みも

78
モロッコに生まれ、人攫いに遭い売買される黒人の幼女。その幼女が外の世界を知らぬままに年齢を重ねるが、やがて彼女は自分のルーツを求める欲求を心に秘めつつ、フランスそしてアメリカへと密航を重ねる。その不幸な境遇の中で彼女に訪れる出逢いと別れと、不法移民故に逃避行せざるを得ない放浪の旅路。才能豊かなアフリカ生まれの黒人の少女が、荒んだ世界を巧妙に泳いでゆく逞しさが描かれる成長譚であるが、幾多の登場人物が唐突に現れては、唐突に画面から消える為、脳内整理が追い付かないまま、彼女自身への感情移入も出来ずじまいで読了。2023/11/14

まゆぼー

3
ル・クレジオの少女ものは好き。少女のモノローグと行動がちょっとちぐはぐに感じたのは、翻訳が行儀よいせいかな。主人公はいわゆる一人称が「あたい」な少女なのでは。でも、外国の文学は原書で読めないので、翻訳家にはいつも感謝。2013/06/25

I am

3
繊細で力強い女の子の話。世界を流れ流れながらも、少女が自分らしくあって、文章も読みやすく、面白かった。土地や空気の描写が丁寧で一緒に旅をして疲れる感じもする、素敵なお話だった。2011/02/25

fig

2
人を創りあげていくのは何だろうか。ルーツという何がしかを持たないまま、邂逅と別れ、束縛と自由に、読んでいるこちらが目を覆いたくなるほどに衝突しながら、彼女は、広い世界の沢山の小さな場所たちを浅く深く泳ぐように生きる。決して思うがままではないのに、そのタイトルのまま“泳ぐ”と例えることがなんとも相応しい。日記のように、日常話でもしているように綴られる物語は、強烈な印象を残す幾つもの言葉を包み込んでいる。2015/07/23

caster1

2
印象に残った言葉。「世界には自分の居場所などないのだ、どこへ行っても自分はよそ者みたいだ、だから、いつも別の場所へ行く夢を見なければならないのだ、と。」2011/02/27

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