内容説明
思想の核心から、新たな展開へ。初期詩篇・批評や言語論、国家論、さらに宗教論、映像論等を、“現在”の視角から気鋭の批評家たちが論じる書き下ろし10篇。
目次
詩人批評家の誕生‐吉本隆明論序説―『吉本隆明初期詩集』『初期ノート』(田中和生)
「固有時」との「対話」、そして―『固有時との対話』(岸田将幸)
「関係の絶対性」と「不可避の一本道」をめぐって/倫理と知と自然―「マチウ書試論」『最後の親鸞』(古谷利裕)
吉本隆明の「悔恨」―『言語にとって美とはなにか』『母型論』『記号の森の伝説歌』(阿部嘉昭)
接木の王國―『共同幻想論』『敗北の構造』(金子遊)
たれも聴かないうたごえ‐「南島論」ノート―『南島論』(淺野卓夫)
吉本隆明の身体論―『心的現象論』『心とは何か』(志賀信夫)
死近傍の物語構造とその分解について―『死の位相学』(西川アサキ)
逆光の一九八〇年代‐埴谷雄高・吉本隆明論争を読み直す―「吉本・埴谷論争」(鹿島徹)
像として“獲得/喪失”された世界―『夏を越した映画』『ハイ・イメージ論』(神田映良)
著者等紹介
田中和生[タナカカズオ]
1974年富山生まれ。文芸評論家、法政大学准教授。2000年、評論「欠落を生きる―江藤淳論」で第七回三田文学新人賞を受賞
岸田将幸[キシダマサユキ]
1979年愛媛生まれ。詩人、文芸批評。早稲田大学第一文学部卒
古谷利裕[フルヤトシヒロ]
1967年神奈川生まれ。画家・評論家
阿部嘉昭[アベカショウ]
1958年東京生まれ。北海道大学大学院准教授、評論家、詩作者
金子遊[カネコユウ]
1974年埼玉生まれ、映像作家・批評家。慶應義塾大学非常勤講師。「弧状の島々ソクーロフとネフスキー」で第一八回三田文学新人賞(評論部門)受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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