出版社内容情報
著者が尊敬してやまぬ維新の英雄・西郷隆盛の生涯は明治維新が何を目指していたのか。それは現代の日本人にも忘れてはならない生き方なのだ。
感想・レビュー
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ネコ虎
3
維新成功後大久保らと対立して、ついに西南戦争に至ってしまった西郷の思想と行動を探っていく。西欧文明を如何に捉えるかを通じて明治政府と政治・外交また政治哲学の違いがいわゆる征韓論での鋭い対立として表れる。しかしそれは武断的なものとの通説とは異なると葦津は説く。正道をもってする外交を主張する西郷。そして大久保の挑発により、復古派への弾圧から西南戦争へ。西郷はその際決起の文を書かない。政府の失政を武力討伐するのは義ではないとして詰問隊として進発する。絶望的な抵抗を西郷の思考に肉薄しようとする興味深い論考。 2016/03/18
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