内容説明
人種差別、外国人嫌悪、ファシズム、戦争―それらは「いつ戻ってきてもおかしくない」。回帰するこれらの暴力に知識人はいかに対抗し、応答しうるのか。フランスの文壇に屹立する「姿なき」巨人が、現代における知識人像とその社会的役割を説く。
著者等紹介
ブランショ,モーリス[ブランショ,モーリス][Blanchot,Maurice]
フランスの作家、批評家。1907年9月22日生まれ。1930年代より文筆活動を始める。1941年に小説『謎の男トマ』(初版)を出版したのを皮切りに、虚構作品と文芸批評を次々に出版。文学を非人称の空間と捉え、その根源的体験を記述している。’60年代以降は、狭義の文学のみならず哲学や思想にも重点を置き、共同体論などを書いている
安原伸一朗[ヤスハラシンイチロウ]
1972年石川県生まれ。1995年、学習院大学文学部フランス文学科卒業。現在、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程に在籍
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感想・レビュー
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真魚
1
難解と言われるブランショだけど、本作はかなり読みやすい部類に入ると思う。ハイデガーのナチス傾倒やヴァレリーのドレフュス事件での国家擁護の立場を恐らく自らの過去も重ねてだろう激しく批判し、知識人とは何か、正義や善とは何かを問う。知識人というだけで、門外漢であっても事態への意見や立場の表明を求められる。孤独と葛藤、また或いはそれをなし得るという驕りに晒され、常に問われ続ける知識人。必要なのは、凄惨な過去を繰り返さないために考え行動し、善良な市井の人としての正義を表明し続けることなのではないだろうか。2020/05/03
tamioar
1
知識人とは何か。2019/03/25
rinrin
0
【BOOK(2015)-039】!!!!! 2015/03/04