出版社内容情報
秦の始皇帝暗殺に賭けた男たちの物語
燕の太子丹から始皇帝暗殺を依頼され、一振りの匕首を携え易水を渡って行く荊軻。鉛を入れた古代の楽器・筑で始皇帝に打ちかかった高漸離。二人の蛮勇は実らなかったが、迫り来る秦の脅威に立ち向かった二人の男たちの友情を描いた中国歴史長編小説。
文芸評論家・清原康正氏絶賛!
内容説明
汝は汝を知る人のために死ねるか。秦の始皇帝暗殺に賭けた男たちの物語。
著者等紹介
桐谷正[キリタニタダシ]
1951年富山県生まれ。同志社大学文学部卒業。89年「龍の眠っている山」で、第十四回子とともに児童文学賞優秀賞、同年「高漸離と筑」で、第十四回の歴史文学賞佳作を受賞
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感想・レビュー
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瀬々
2
始皇帝を暗殺しようとした荊軻、そしてその盟友高漸離の思いを描いた話です。何故荊軻は暗殺を試みたのか。そこには彼自身にはどうしようもできない現実があったり、しかし託された思いがあったりなどと複雑で切ないです。彼らが結果始皇帝に何をもたらしたのかはとても興味深かったです。2021/07/06
dzuka
1
中国の秦の始皇帝が即位する少し前の、今の北京を都とする燕国が後に始皇帝となる政を暗殺するために、刺客を送る話と、後日談をセットとした一冊。 初めての読む作者だったが、とっつきにくいと思われた中国歴史物が、さりげなく説明をいれながら、話が進むので、状況がすんなり頭に入ってきて、どんどん読み進められる。 私怨と国の大事を混同する上司というべき皇太子に振り回される、志ある3人の士(そのうちの一人が荊軻)の心の描写が非常に巧みで、暗殺という卑劣な手段が用いられるにも関わらず、思わず応援してしまいたくなった。2018/08/14
BIN
1
始皇帝を殺そうとした刺客、荊軻と高漸離を描いた作品。士として高潔に生きた荊軻と高漸離と田光先生に対して、凡愚な燕の太子丹が対照的でなかなか面白かった。秦による燕の攻略戦のシーンが描かれているのは珍しい。キングダム好きとしてはどうせなら李信により丹が捕まるところも書いて欲しかった。2013/08/22