感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Omelette
4
刊行された『講義』で失われたものがここにはある。語られている内容は『講義』も同じで、むしろ『講義』のほうが「歴史言語学」「地理言語学」等々個々の章立てのもとすっきりと整理されていて知識としては受け入れやすい。それに対しこの講義ノートではすべてが直線状に展開する。まるで自らの研究者としての歴史、その試行錯誤を一歩ずつ再構成してみせるようだ。現在のわれわれは一般言語学というと記号学の原理のような抽象的なものを想像するが、この時期のソシュールにとっては一般言語学とは言語学者が心得ているべき方法論だったのかも2010/06/01
amanon
2
理解の程はともかくとして、とりあえず先に読んだ『第三回講義』に比べ、荒削りというのが、第一印象。訳者による注釈もこちらの方が多いように思う。それにしても、本書を読んでいると、改めて長いこと流布していた『講義』は一体何だったのか?という思いが募る。そもそも原著は編集者による偽書に等しい物。それに加えて邦訳書は読みにくいことこの上ない悪訳。そのためにどれだけソシュールへの誤解や偏見が高まったか、想像に難くない。もちろん、本書にも様々な欠陥はあるだろうが、このシリーズが新たなソシュール研究の嚆矢となるだろう。2014/01/25
maox
0
音の面から言語を捉えているため講義で取り上げられた各種言語の発音がわからないと理解が困難と思われる。2010/02/21
-
- 洋書
- 地主…