内容説明
昭和落語界の大看板、孤高の噺家、稲荷町の師匠彦六。本書は、形見の懐中時計と彦六自筆未発表の帳面「落語名題」をもとに語る「師匠彦六の人と芸」。貴重な写真による在りし日の彦六。十八番の芝居噺を受け継ぎ、二度の芸術祭賞に輝いた著者が自ら脚色した正雀版『双蝶々雪の子別れ』、林家彦六年譜、古典落語の醍醐味、精粋がたっぷりと楽しめます。
目次
第1章 稲荷町の師匠(初めての芝居噺;稲荷町入門;最後の弟子 ほか)
第2章 師匠の懐中時計(稲荷町界隈;小心居;おばあさんのおかげ ほか)
第3章 師匠の落語名題(道具屋;蟇の油;山崎屋 ほか)
第4章 脚本『双蝶々雪の子別れ』
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Kazuo Ebihara
1
林家正雀師が、師匠林家彦六(八代目林家正蔵)の思い出を綴った作品。 稲荷町での修業時代の話。 「落語名題」と表紙に書かれた 小ぶりのネタ帳にあった73演目の解説。 芝居噺『双蝶々 雪の子別れ』の脚本。 彦六師匠とおかみさんの長屋での暮らしぶり、 稽古の付け方、落語に対する考え方など興味深い話が満載。 昭和時代の落語界の様子や、 活躍した多くの噺家も知ることが出来た。 ところで、この本で「うなぎ書房」を初めて知ったが、 落語関係の書籍を専門に出していたようだ。2024/02/19