内容説明
世界はきょうも、おいしい笑顔で満ちあふれていました。―旅の記録と、胃袋の記憶。おいしい旅のレシピつき。
目次
初めての旅
故郷の味
いざ桃源郷へ
彼岸の一椀
豊饒の食卓を求めて
赤い米が実る村
その味覚、禁断につき
サウダーヂを抱きしめて
砂漠で眠ると人は
エーヤワディー千年王国
ジブラルタルの南、サハラの北
著者等紹介
篠藤ゆり[シノトウユリ]
国際基督教大学卒業後、コピーライターとして広告代理店に勤務。退社後、世界各地を旅する生活を経て、1991年、『ガンジーの空』で海燕新人文学賞受賞。以後、主に旅と食のエッセイを中心に雑誌などで活躍中
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
本の蟲
11
ライターでありエッセイストで小説家。最近ではインタビュアーとして目にすることが多い著者による旅×食エッセイ。もともと20年以上前発行の一冊だが、内容はさらに古く「地球の歩き方」に先駆けて世界のあちこちに行った80~90年代中心。インターネットも携帯もない時代の、昔懐かし旅エッセイの類だが、訪れた国々で激変したもの。経済や政治状況とは対照的に、変化があっても生き残ってるだろうもの。レシピ。主菜。彼らが日々食べるものを考えながら読むのも面白い2024/08/12
yasu
4
チベットの山の暮らしではツァンパやグルグルチャが携帯に便利であったり、ブラジルの豊満な美女たちが剣に刺した塊の肉を食べたり、暑い砂漠で疲れた体にはスパイスと甘みのあるチャイが最適であったり…食というものはその土地の暮らしに合理的に発達してきたんだなぁ!と実感しました。タイの山奥に納豆があるというのも驚きです。2016/12/20
Maumim
3
著者が80〜90年代にタイ、韓国、インド、パキスタン、モロッコ、ミャンマー、インド、ブラジルなどを旅した体験記。現在とは異なる制約があるし、こんなふうに旅をしていた頃があったなあと郷愁が湧く。パキスタンとミャンマーは自分よりもさらに以前の旅の記録でそれも興味深い。あの、なんでも見てみたいという未知の世界に対する情熱が懐かしいな。今はインターネットで、いろんな情報が手に入っちゃうものな。2024/03/23
ねじまき
2
食欲がでればいいなぁ、と思って借りてみたけれど、私の胃袋は冒険家ではないということを再認識した。食べることの熱意に脱帽!熱意があればこそ、ゆくさきざきでのホットな出会いや暖かな交流が生まれるのかもしれない。2010/04/03
Bibbidi*
1
まだネットも今ほど普及せず、全てが手探りだった時代に、女性でありながらこれほど現地に食い込んで旅ができるという事実に驚いている。 もちろん最低限の英語力やコミュニケーション能力は持っていたんだろうし、文章には書かない様々な差別や不愉快な目に遭っているんだろうけど。 レシピも日本で手に入りやすい材料ばかり選んであり、写真とレシピだけを楽しむのも良い一冊。2014/01/03