内容説明
柄谷行人の「近代文学の終り」が韓国の文学者に与えた衝撃を分析し、作家・批評家、大学、出版社からなる文学システムに身をもって対峙する、痛快果敢な文芸評論!
目次
第1章 文学の終焉と若干の躊躇い(文芸創作科の躍進と文学をやめた者たち;近代文学の起源と近代文学以後の文学 ほか)
第2章 「文学の終焉」をいかにして耐えるか(危機か、それともチャンスか;韓国文学の生存法 ほか)
第3章 批評の運命―柄谷行人と黄鍾淵(「柄谷行人」という亡霊;近代文学以後の文学 ほか)
第4章 批評の老年―柄谷行人と白楽晴(終焉か、価値=甲斐か;柄谷行人と韓国文学との出会い ほか)
第5章 「語り」対「批評」―柄谷行人と黄〓暎(黄〓暎に対する礼儀―『パリデギ―脱北少女の物語』の内と外;韓国文学のルネッサンス―黄〓暎と村上春樹 ほか)
著者等紹介
ジョヨンイル[ジョヨンイル]
1973年生まれ、文芸評論家
高井修[タカイオサム]
1963年、大阪生まれ。翻訳家、コラムニスト(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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原玉幸子
2
私にとっての韓国出版業界は、NHKのニュースで、東野圭吾や村上春樹、それに『おしり探偵』シリーズが売れているとしか知らない世界だったので、韓国に於ける批評家や小説家の世間的な地位、大学の文学部の位置付け、文学界、出版業界、問題は日韓相似形或いは時間差なだけなのか等々に興味が尽きず、大変面白かったです。「1990年代に世代間の大きな思想・文化の断層(変異点)があった」と何となく感じている程度の私に、「既に1970年代に文学は終焉を迎えていた」との柄谷行人の評論は、うーん成程、の衝撃です。(◎2020年・春)2020/05/01
yoyogi kazuo
0
韓国文学についてある程度の知識がないと理解困難。柄谷行人は「近代文学の終わり」という問題提起の役割程度に留まる。2024/05/24
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