出版社内容情報
1954年、遠征隊を結成した著者はひょんなことからインド政府高官に「スパイ」役を頼まれる。手に汗握るユーモアあふれる脱出記
内容説明
1955年、ウェールズ・ヒマラヤ遠征隊を組織してチベットの最高峰グルラ・マンダータ(ナムナニ峰)初登攀を目指した著者は、ふとしたきっかけから当時謎であったチベットに於ける中国軍の実態を調べるよう頼まれる。だが気安く引き受けたこの生粋の英国人冒険家の前途には、想像を絶する苦難の数々が待ち受けていた。中国軍による拉致、苛酷な尋問、厳寒のヒマラヤ越え、だが持ち前のユーモアと不屈の精神で生還した著者はこの驚くべき体験を、じつに41年ぶりに本書に明らかにした。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Arte
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ウェールズ出身の登山家が、中国侵略後のチベットにある山に登りに行く→インド人についでにタダでスパイしてきて(「同じイギリス連邦でしょ。中国、インド侵略しようとしてない?」)と言われたのでスパイもするわ→たぶんネパール(地図いい加減)で中国軍にあっさり捕獲→極寒のチベットの刑務所(地元の古家)に監禁→尋問されて(集団で囲んで中国語で糾弾する儀式が面白い←イギリス人にはただうるさいだけ)チャイニーズルーレットされたりしたので、「エベレストに登った人、酸素吸入器の中にウラニウム隠してたわ」とか適当なことを言う2017/09/17
Koichi Mori
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中印戦争の数年前、チベットにいる人民解放軍の動静を探るために潜入した著者の手記。取り調べで著者が語る荒唐無稽な作り話とそれを信じる人民解放軍のくだりでは腹を抱えて笑った。2011/12/06
ぶーぶ
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ヒマラヤ遠征を計画→スパイを頼まれる。嘘のような本当の話。中国に捕まってからの尋問シーンは抱腹絶倒間違いなし。仲間2人のすがすがしい人柄と厳しいチベットの現実をいったりきたり。良著。2012/04/26
Lyijykyyneleet
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現代史の片隅で行なわれていた、小さくも雄大な物語。知名度はほとんどない本なのだけれど、チベット問題に興味のある方にぜひお勧めしたい。