内容説明
1957年フランス、二人の駆け出しの映画作家が、世界で初めてヒッチコックの全作品を徹底的に論じ上げた―。秘密と告白、運命と意志、悪の誘惑、堕罪と救済、そしてサスペンス。通俗的な娯楽映画という世評に抗し、ヒッチコックの華麗な演出に潜む形而上学的主題へと迫った、ヌーヴェルヴァーグによる「作家主義」の記念碑的書物。
目次
第1章 イギリス時代(初期の映画 ゲインズボロー時代(一九二三‐一九二七)
サイレントの終わり、トーキーの始まり ブリティッシュ・インターナショナル時代(一九二七‐一九三二)
ゴーモン=ブリティッシュ時代(一九三四‐一九三七)
ゲインズボロー=メイフラワー時代(一九三七‐一九四五))
第2章 アメリカ時代(1)セルズニックと共に(一九三九‐一九四五)
第3章 アメリカ時代(2)『ロープ』から『知りすぎていた男』まで(一九四八‐一九五六)(コンティニュイティの征服『ロープ』(一九四八)
秘密と告白『山羊座のもとに』(一九四九)
名人芸『舞台恐怖症』(一九五〇)
数と形象『見知らぬ乗客』(一九五一)
殉教の誘惑『私は告白する』(一九五三)
第三の次元『ダイヤルMを廻せ!』(一九五四)
母型『裏窓』(一九五四)
修辞学の精華『泥棒成金』(一九五五)
善人か悪人か『ハリーの災難』(一九五五)
「サスペンス」の彼岸に『知りすぎていた男』(一九五六))
結論 『間違えられた男』(一九五六)
著者等紹介
ロメール,エリック[ロメール,エリック] [Rohmer,Eric]
1920年3月21日生まれ。本名モーリス・シェレール。シネクラブを組織しながら1950年に『ガゼット・デュ・シネマ』誌を発刊。その後『カイエ・デュ・シネマ』誌を中心に映画評を執筆する。1957‐63年、同誌編集長。『獅子座』(1962)で長篇監督デビューし、「ヌーヴェルヴァーグ」の中心的な一人となる。2010年1月11日死去
シャブロル,クロード[シャブロル,クロード] [Chabrol,Claude]
1930年6月24日生まれ。シネクラブでロメールらと出会い、『カイエ・デュ・シネマ』誌を中心に映画批評家として活躍。1958年に「ヌーヴェルヴァーグ」の長篇第一作となる『美しきセルジュ』で監督デビュー。2010年9月12日死去
木村建哉[キムラタツヤ]
1964年生まれ。映画学、美学。専門は映画理論・映画美学、古典的ハリウッド映画研究。成城大学文芸学部准教授
小河原あや[オガワラアヤ]
1976年生まれ。映画学、美学。専門はフランス映画、とりわけエリック・ロメール。成城大学文芸学部非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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Isamash
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