「生きる力」を育む幼児のための柳沢運動プログラム 基本編

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  • サイズ B5判/ページ数 110p/高さ 26cm
  • 商品コード 9784900918542
  • NDC分類 376.157
  • Cコード C3075

出版社内容情報

“幼児期の全身運動が脳を育て心を育てる”

子どもを取りまく環境の変化は、子どもから「活発に遊ぶ力」や「目の輝き」をうばおうとしています。
──どうしたら子どもの「生きる力」を育てていけるでしょう。──
「運動保育援助プログラム」は、25年にわたる幼児運動学の研究から生み出されました。発達段階に合わせた運動で、こころとからだ、そして脳のはたらきまで活発にできることが、科学的な調査の中で明らかになってきました。いきいきと楽しく、自分の力で生きていける人間を育むために、今、幼児教育の分野で、このプログラムが注目されています。
本書は、「運動保育援助プログラム」を保育の現場に生かしていくための実践テキストです。

はじめに●子どもたちの目に、もう一度輝きを!

「柳澤プログラム」で子どもたちの「生きる力」を育てよう
◇子どもの心を知りたい…そして出会った脳科学
◆日本の子どもの脳が変わった。その原因はどこにある?!
◇テレビゲームではからだも心も育たない
◆どうしたら運動好きな子どもになるのだろう
◇みんなが運動好きになる「魔法のプログラム」をめざして
◆「柳澤プログラム」で子どもの脳が変わりはじめた
◇脳のつながりは8歳までに90%がつくられる
◆幼児期の全身運動が脳を育て心を育てる
◇昔は自然に身についた力、今は援助がなければ育たない
◆全身を使ってあそべるように動けるからだを作ってあげよう
◇できるようになるためには体系的に運動をすること
◆日常生活のなかでは身につかない協応運動
◇運動が好きな子どもに育てたい
◆最終目標は「みんなができる」こと
◇基本は跳躍・支持・懸垂運動
◆気がついたらできちゃった
◇できない子ほど輝きたい
◆正面から子どもの不安を受け止めよう

やってみよう!みんなができる魔法のプログラム
★柳澤プログラム見通し表
[基礎運動1]跳躍運動
●かご」ができれば前転までもうひと息
あごを開いて横回転・側転の感覚をつかもう
支持力と回転感覚が身につくと無理なく側転ができる
★器械運動に移る前に
[器械運動2]なわ跳び
●発育に合わせて指導すると、年長で短なわ跳びもできる
なわ跳びの動作を分析すると
初めてなわを見る子も…。まずは慣れることから始めよう
なわに高さが出てくる 正確なジャンプで跳び越えよう
ゲーム感覚で楽しみながら跳び越える運動のまとめ
なわの動きをとらえてジャンプするステップへ
長なわ跳びができると遊びの世界が広がってくる
短なわの前に長なわ大波跳び
短なわ跳びはなわ跳びの総仕上げ
★なわ跳びの指導のポイント
[器械運動3]跳び箱
●跳躍・支持運動の積み重ねで誰もが跳べるようになる
跳び箱が跳べると生活にも大きな自信が出てくる
年少・年中で基礎力をしっかり身につける
床上のカエルができれば跳び箱が跳べる
自然にできる開脚跳び越し
★跳び箱の安全確保のために
[器械運動4]鉄棒
●苦手意識が芽生える前に、逆上がりを身につけておく
いろいろな力が必要な鉄棒運動
まずは支持力と懸垂力を使った「すず

●はじめに
子どもたちの目に、もう一度輝きを!

 最近、幼稚園・保育園で、「どうも子どもたちのようすがおかしい」という声が聞かれます。では、何がおかしいのか。そのことを現場の保育士さんたちにうかがってみると、「朝から眠そうにあくびばかりしていて、積極的にあそぼうとしない」「精神的にイライラしているように見え、全体におちつきがない」など、以前では考えられなかった不可解な子どもたちが増えているようなのです。
 これらの現場の先生たちが肌で感じた「不可解さ」は、これまでは見られなかった現象だけに「どうしたらいいのかわからない」という戸惑いとなって、幼児教育の現場に重くのしかかってきているようです。
 そんななか、柳沢先生のプログラムを取り入れた園がいくつかありました。いずれも、現場の先生方の直観で、柳沢先生を訪ねてこられたケースですが、驚くような成果を上げているのです。
 最初は、落ち着きもなく、積極的にあそぶこともできなかった子どもたちが、半年、1年と「柳沢プログラム」を実践しているうちに、どんどん体を動かしてあそべるようになり、集中力が出て、思いやりの心が自然に育ち、仲間とコミュニケーションができんも自分から包丁を使えるようになりました。できない子にはできる子が教える。できない子も一生懸命に努力する。そんな「つながり」も芽生えてきました。
 「先生、がんばるって楽しいね」と子どもたちに言われたときには、先生のほうがびっくりして呆気にとられてしまったそうです この変化はいったい、何なのでしょうか。
 よく、とろんとしてやる気のない表情を「サンマの腐った目」などと言いますが、「柳沢プログラム」で運動をしているとき、子どもたちの目は、水を得た魚のようにキラキラと輝いています。「子どもたちの目が輝いているとき、前頭葉が活発に動いているんですよ」と柳沢先生が解説してくれたことがありました。
 また、「子どもたちがテレビゲームに夢中になるのは、おもしろいからなんですよ。でも、自分の体を使って、自分の力であそぶおもしろさを覚えたら、絶対に外であそぶ方がおもしろいに決まっているんです」とおっしゃたことも忘れられません。
 私たち大人は、「危ないから」とか「迷惑をかけるから」といった理由から、子どもたちが体を使って自由にあそぶ機会を奪ってきてしまったようです。木登りも、鬼ごっこも、缶けりも、ゴム跳びも、川あそびをあげたそうです。このときほどうれしかったことはない、と先生は顔をくしゃくしゃにして喜んでいました。
 子どもが輝やいているとき、大人の目もきっと輝いているのだろうと思います。子どもを考えることは未来を考えること、そして、今の私たちの生き方を見つめ直し、問い直すことなのではないでしょうか。
 「柳沢プログラム」で、まず自ら最初の一歩を歩み出してみましょう。(編集部)

全国の幼稚園・保育園から反響!待望の運動保育プログラムです。
「プログラムを始めて半年で子どもたちが変わりはじめました。生活に落ち着きが出て、外あそびが大好きになったんです。」(M保育園・園長)
「支持力がついてくると、自然にいろんな運動ができるようになって遊びもダイナミックになりました。子どもにも自信が出てきたようです。」(K幼稚園教諭)

内容説明

子どもが変わる!輝く!いきいきする!運動保育の決定版。応用自在、すぐできる実践プログラム。

目次

1 「柳沢運動プログラム」で子どもたちの「生きる力」を育てよう
2 やってみよう!みんなができる魔法のプログラム(跳躍運動;支持運動;懸垂運動;マット運動;なわ跳び;跳び箱;鉄棒)
3 実践事例・プログラムにひと工夫 子どもたちと一緒につくった運動あそび

著者等紹介

柳沢秋孝[ヤナギサワアキタカ]
松本短期大学幼児教育学科教授・信州大学共通教育兼務。1953年新潟県高田市生まれ。1975年日本体育大学卒業。同年、松本短期大学助手。1998年より現職、現在に至る。専門は幼児運動学。25年間継続研究を行ない、4000名以上の幼児期の子どもに運動遊びを直接指導する。5年前から大脳活動、特に前頭葉の研究に着手、「運動が子どもの精神的発育に大きな影響を及ぼす」との仮説から保育現場における運動保育援助の効果を調査・研究中
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