内容説明
京町家の小宇宙へようこそ。京の町家には坪庭がある。躍動感にあふれていたり目を閉じてひっそりしていたり、確かなのは「坪庭には何かが宿っている」こと、「はじめて出会ったはずなのに、懐かしい」ということ、「感じる」「食す」「買う」「観る」の坪庭にご招待です。
目次
坪庭を「感じる」
坪庭を「学ぶ」
坪庭と「食す」
坪庭と「買う」
坪庭と「観る」
庭師のハナシ
坪庭の名道具
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
G-dark
11
ページを捲る度に目の保養になりますし、誰でもどれか一つはお気に入りの庭と出会える本だと思います。わたしは特に「妙心寺 東海庵」の庭に圧倒されました。何ですか、この波動は!石で波紋を描き、無限に拡がる宇宙を、そして禅の精神世界をも表現しているのだそう。石が音を発することは無いはずなのに、まるで中央の石が言葉を発していそうな感じがします。原始の怖さがあるような、でも懐かしくて吸い込まれてしまいそうな、不思議な感じ…。いつかこの庭へ行ってみたいです。2020/04/13
ふう
5
これはめっけもん。京都にいると、何でもない仕舞た屋にも洒落た坪庭があったりして、あ、素敵、と一瞬目をとめても通り過ぎる頃には忘れてしまうほどありふれた存在なのだけれど、作り手の立場からきちんと説明していただける貴重な本。狭くて通気性も日当たりもわるい庭に相応しい棕櫚竹をはじめとする植栽、筧や灯籠、苔との取り合わせ。学ぶことはたくさんあった。ちょっと欲が出てきた。わが家の裏庭一角、通り庭として和のしつらえに工夫できないかな、と。2015/08/31