感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
キー
7
演劇実験室天井桟敷の劇作家出身の岸田理生さんの第二小説集。単行本は 光風社出版から1987年に刊行。 前作では、伝奇小説と、SFの短編集でしたが、今作では、やや怪奇幻想風の、男女の愛慾をメインに据えた作品集になっています。 怪奇幻想風味があるので、角川ホラー文庫から再刊行されているのだとは思いますが、ホラー小説を期待して読んだ人は、だいぶ肩透かしだと思います。 自分の場合は、天井桟敷とホラーが、どんな化学反応を起こしているかの興味で読み始め、あまり興味を覚えることなく読み終わりました。2021/11/26
ふう
7
登場人物が思う言葉や胸裡で呟く言葉がもれなく「」で表現されてるのがなんとなく演劇的。って思ったら岸田理生って岸田國士戯曲賞を取ってたらしい。…読んでない。がこの読後感では読まなくていいかw どの話も妖しいだけでホラーとは言いがたいし(たまに入る挿し絵は直接的に妖しくて○)、官能描写はあれどあんまりエロくもない。妖気に満ちたエロスみたいなものだけは感じられるが全体的に中途半端な印象の作品集。2018/03/14
高宮朱雀
3
角川ホラー文庫の刊行初期の頃に出版された一冊。一言で表現するならエログロ…。(笑)一編一遍に紡がれた内容の濃密(“蜜”かも)さや衝撃は今でも忘れられないくらいで、思い出すと身体が熱くなる。 男女の業の深さ、人を愛する上で覚悟しなければならない地獄の断片をここから学んだように思う。 今改めて読み直したい。
レイ
3
オンライン古本屋にて、何となく購入してしまったこちらも悪いが、何故この短編集を「角川ホラー文庫」に収めたのかが分からない。断言する。この本は「官能的ホラー小説」ではなく、「ホラー風味官能小説」である。描写が「週刊?代」とか「週刊?スト」などの、おっさん御用達週刊誌に載っているような小説のそれなのだ。ホラー小説としてはB級とも言えない。ホラー小説ファンの良い子達(いればの話だが)には薦められない。偉い戯曲家みたいだが、ホラー小説を舐めないで貰いたい。ただ妖しいだけではホラー小説とは言えないのだ。2015/03/27
準急
2
数ある本の中でもかなり蠱毒澑ってます。パナイです