出版社内容情報
応仁・文明の乱後の関東の戦国前期、北条早雲(伊勢宗瑞)に関わった様々な身分の六人の男たち、彼らの視線から早雲の活躍を描く歴史小説。群雄割拠し、躍動する戦国の世が今ここに再現される――。
内容説明
太田道潅、上杉定正、足利茶々丸、大森氏頼、今川氏親、三浦道寸という名だたる戦国武将と北条早雲のかかわりを描いた新鋭の野心作。従来の歴史小説では見られなかった、歴史上の解釈をストーリー上に巧みに盛り込み、あきさせない絶妙の手腕は歴史小説新時代の黎明を告げるものとなるだろう。
著者等紹介
伊東潤[イトウジュン]
1960年、神奈川県横浜市生まれ。早稲田大学卒業。日本IBMに十年余勤務後、外資系日本企業の事業責任者を歴任。2006年に(株)クエーサー・マネジメントを設立し、独自の視点と手法による企業支援サービスを展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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さつき
69
太田道灌、上杉定正、足利茶々丸、大森氏頼、今川氏親、三浦道寸の6人を描く短編集。敵や主君、盟友など周辺の人物を描くことで浮かび上がる早雲の姿は、痺れるくらいかっこいいです。あとがきにあるように、多面的な人物を描くにはぴったりな手法ですね。神奈川で生まれ育った私には、身近な地名が次々登場するのも楽しかったです。あそこでこんな事があったとは!と知らない事もありました。2022/12/01
モーモー
3
北条早雲に関わる人達の短編集。 太田道灌以外はあまり有名じゃない人物が多かったが、6人それぞれが楽しめた。2019/06/04
演習家康くん
3
北条早雲が主人公なタイトルだけど、実際は早雲に絡む人物たちの物語。伊藤潤さんによる丁寧な下調べのもとで話が書かれているので歴史ものとして面白い。コーエーのテレビゲームでは出てこない関東方の魅力にあふれる一冊。2014/02/21
原です。
2
★★★★久しぶりの歴史小説、かつ、地元の神奈川県を中心とした関東で活躍した北条早雲を主人公にした短編集。短編集でありながら、それぞれで登場する人々や関係を毎度丁寧に表現してくれているので、関連性が非常に分かりやすいです。寄居の鉢形城や逗子の住吉城のも出てきて、歴史を身近かに感じることができます。2018/05/08
すたうお
2
北条早雲のライバル(一部味方もいます)を描く短編集のような形になっていて、そのライバルの話をしながら、その目線から北条早雲のことがよく分かるような内容になっています。 扇谷上杉である上杉定正について、太田道灌を謀殺した人なので、暗愚の将というイメージでしたが、これを読んで、武勇に優れた人だったんだと思いました。 ↓ ブログも書きました。 http://fuji2000.cocolog-nifty.com/blog/2013/01/post-05fa.html 2013/01/29