内容説明
新約聖書は「パリサイ人をはじめ、ユダヤ人はみな、昔の人の言伝えをかたく守って」行動していたと語る。このような口伝律法は、日常生活の具体的な指針となるものであるため、紀元前後のユダヤ人に少なからぬ影響を与え、かつ彼らの関心を集めたものであった。口伝法の影響力は、紀元70年のエルサレム神殿破壊後パリサイ派の生き方がユダヤ教の主流となるにつれてますます増大していった。紀元200年ごろ律法学者ラビ・ユダは、それまで公には書きとめられることのなかったこの口伝の律法を結集した。これがミシュナである。