内容説明
江戸時代にやってきた、事実上の朝貢を強いられた朝鮮通信使たち。彼らの残した「侮日・反日」の罵詈雑言の数々を読み解くことにより、400年以上続く、歪な「反日コンプレックス」の歴史を知ることができる。本書の結論は、まさに「あの国と関わるな!」ということである。
目次
第1章 朝鮮通信使は事実上の朝貢使節だった(十二回にわたる朝鮮通信使派遣の概要と一つの疑問;なぜ日本から朝鮮に「通信使」を派遣しなかったのか;通信使の派遣を熱望したのは朝鮮の方だ ほか)
第2章 朝鮮知識人の哀れな「精神的勝利法」(日本の豊かさと文明度の高さに圧倒された通信使たち;二人の通信使が目を見張った日本の絢爛と華麗;日本の技術に感心し本国に持ち帰る通信使 ほか)
第3章 「日本コンプレックス」の塊だった通信使たち(申維翰『海游録』の悪意の日本口撃;日本人に対する人種差別的侮辱;弄ばれる日本人の誠実さと純粋さ ほか)
著者等紹介
石平[セキヘイ]
評論家。1962年、中国四川省成都生まれ。北京大学哲学部卒業。四川大学哲学部講師を経て、1988年に来日。1995年、神戸大学大学院文化学研究科博士課程修了。民間研究機関に勤務ののち、評論活動へ。2007年、日本に帰化する(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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乱読太郎の積んでる本棚
感想・レビュー
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ムカルナス
10
朝鮮通信使は秀吉の朝鮮侵攻で日本の武力を恐れた朝鮮が自己防衛のために行った事大主義であり、徳川幕府にとっては外国政権に朝貢の拝礼を行わせることで自らの権力を誇示するものだった。小中華主義思想で日本を劣位にみなす朝鮮通信使としては国の方針に従わざるを得ないもののプライドが傷つく。それを解消するべく「以大事小」(文化の高い朝鮮が日本に教える)外交だとして精神的勝利法を見出すが、それでも憤懣やるかたない彼らは日記に日本への罵詈雑言を書き連ね日本各地でも無理難題を言う。今日の反日のルーツはここにあると筆者は言う。2020/08/31
dai267712
5
朝鮮通信使の僻み根性にびっくりしてしまった。ここまでくると憤りを通り越して感嘆してしまいます。ほとんど日本に対するヘイトスピーチでした(笑)大変興味深い一冊でした。2019/12/20
depo
4
図書館。対馬では朝鮮通信使祭りをやっているが、朝鮮通信使が、対馬の人々について「民の俗は、詐りと軽薄さがあって、欺くを善くす。すなわち、少しでも利があれば死地に走ること鷲の如くである」と書き、対馬藩主が雑戯を見せてくれたが歌い手の「声は、犬が吠え鶏が鳴く如く、思わず失笑した」という。対馬の人たちは、こういうことを知っているのだろうか。そもそも朝鮮半島の人たちが日本と日本人を悪し様にののしるのは、コンプレックスの裏返し。キムチも日本から唐辛子が入ってきてからのものなのに、大昔から朝鮮半島にあったという。2020/12/17
Masataka Sakai
3
過剰な接待の旅なのに劣等感とコンプレックスで罵詈雑言の帰国報告 石平さん「人間の屑」とは言うね 後に「屑以下」とのこと2020/03/13
某戦国大名の子孫(嘘)
2
特に印象深いのが、対馬藩に仕えた儒学者、雨森芳洲のエピソードだった。 2018年3月4日の西日本新聞に、雨森芳洲が朝鮮通信使に随行して朝鮮との親善外交に尽力したという記事が掲載されていて「芳洲は誠意と信義を重んじた「誠信」外交で通信使と友好関係を築いた」という事だが、本書を読めば実際には雨森芳洲の誠意が全く報われず、友好関係など築けなかった事が良く分かる。本書は江戸時代の事だけでなく、現代のマスコミの不誠実さと隠蔽体質をも浮き彫りにしている。