出版社内容情報
書評誌として、現在も根強い人気を誇っている『本の雑誌』。その後、作家や映画監督として活躍する椎名誠、書評家・北上次郎名義でも知られる目黒考二の二人を中心に創刊された雑誌で、その創刊秘話は椎名誠『本の雑誌血風録』、目黒考二『本の雑誌風雲録』に詳しく描かれている。今回は、その二冊を底本に、関係者への取材をもとに『本の雑誌』創刊時を、こちらも読書界を震撼させた『どくヤン!』の作画担当であるカミムラ晋作が完全漫画化。2巻ではついに『本の雑誌』が発売されて、そこからの目黒の営業の苦労、そして椎名と目黒の路線対立など、緊迫した展開が続く!
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ミスランディア本棚
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ナミのママ
49
第2巻。本を読むことが生活の中心という目黒考ニ氏とケンカっ早いが行動も早い椎名誠氏。創刊した本の雑誌の方向性について、意見の相違から離れていく2人の様子。小説とは違って当時の喫茶店や住居が見れるコミックは面白い。今、手にしている本の雑誌がこうやって創られ、続いてきたのかと思うと、隅々まで再読したくなる。(目黒考ニイラスト入りサイン本)2023/05/26
ぐうぐう
38
目黒考二・北上次郎・藤代三郎追悼号となった「本の雑誌」2023年5月号の中で、本の雑誌社の杉江由次は「本の雑誌社「その日」までの記録」で、目黒の余命を知らされ、こう動揺したと書く。「本屋さんに行くたびに、もうここにある本を目黒さんは読めないのか、そもそも目黒さんはもう本屋さんに行けないのかと苦しくなる」それは目黒考二の近くにいた人、あるいは北上次郎のファンの多くが、急な訃報に接した瞬間、まず実感した想いだろう。そんな無類の本好きの目黒が『黒と誠』2巻では、創刊された「本の雑誌」を売るために(つづく)2023/05/07
ツキノ
21
2023年4月発行。「本の雑誌」創刊号発行、目黒孝二、会社を休んで書店においてもらうよう飛び込み営業。2日間で5店。続けて第2号。椎名誠の「昭和軽薄体」の形成。「無理をしない」「頭を下げない」「威張らない」の3つの「ない」方針が後に本の雑誌社の社是に。新宿・石の家2階のクーデター。第6号から椎名が編集長に。「助っ人募集」から本の雑誌配本部隊結成へ。今後怒涛の快進撃が始まる。あとがき、さらに本の雑誌編集発行人の浜本茂氏による『「黒」のこと』にしみじみ。2023/05/05
阿部義彦
18
カミムラ晋作さんの画による、本の雑誌創刊秘話の第二巻が発売になりました。帯には追悼目黒考二の活字が。創刊号を売ってもらおうと何も分からずに情熱だけで突撃営業をする目黒さん、それでも何とか置いて貰える店を開拓して、「十字屋書店」「茗渓堂」とは長い付き合いとなります。そこから椎名誠さんが実質編集権を握りさらに雑誌は部数を伸ばします。後半は椎名さんの身の置き所を巡り色んな動きが有りますが、文才が花開きとうとう他社からの原稿依頼まで舞い込みます。次号から始まる快進撃に期待も高鳴ります!2023/04/18
OHモリ
17
・「本の雑誌」との出会いは大学生の頃1970年代だったので名古屋では一般の書店にはなかったはずだけど、付き合っていた彼女から、こんな面白い本があると教えられたのだけど、当時はほとんど関心を示さなかったと思う。 ・本を読んでその感想を皆に知ってもらいたいと思って作られた雑誌だと知っていたら関心を持ったのかもしれないが、当時の自分が何を求めていたのか思い出せない。2024/08/20