内容説明
万葉集から選ばれた新元号「令和」。そうだったのか!日本語の秘密。万葉・大和言葉によって日本人は作られた。日本人なら知っておきたい万葉集。
目次
序章 日本語の核心にあるもの―「祝日の歌」と大和言葉
第1章 大和言葉こそ日本語の源―外来語の漢語と何が違うか
第2章 万葉集の思想と大和魂の本質―和歌の前に貧富貴賎女卑なし
第3章 文化大輸入時代の和歌と言霊観―尚古にして発展の真髄
第4章 漢語混入で変わった日本語の原理―外来語受容にみる英・独・仏語との比較
第5章 精神的資産としての日本語―国語教育と外国語教育の役割
著者等紹介
渡部昇一[ワタナベショウイチ]
上智大学名誉教授。英語学者。文明批評家。昭和5年(1930年)、山形県鶴岡市生まれ。上智大学大学院修士課程修了後、独ミュンスター大学、英オクスフォード大学に留学。Dr.phil.、Dr.phil.h.c.(英語学)。第24回エッセイストクラブ賞、第1回正論大賞受賞。平成29年(2017年)4月17日、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ノリト
24
大学生の頃に読み、復刻されていたので購入し、読了。私の読書体験の原点的本なので、知的興奮冷めやらぬといった感じ。日本人で良かったと思える。2021/08/10
aiken
13
2019年の本。万葉集のビギナークラシックを読んだので、その流れで。古典もいいですねえ。日本書紀などの漢文はもちろんあったにせよ、源氏物語くらいの時代まではほぼ大和言葉で綴られているらしい。そのあとで少しずつ音読み漢字がはいってくるようだ。まったく知らなかった。海の歌、辞世の句なども大和言葉が多いらしい。日本文化に疎い理系オジサンは日本の古典もざっくりと通していきたいが、外国語を学ばないと日本語の深層にも触れられないらしい。んー、教養のないオジサンにとっては勉強するべきものがいろいろ出てきて忙しい。2021/10/29
大先生
8
【農民や遊女の歌まで収録されている万葉集をみれば分かるように、和歌の前に貧富貴賤女卑はなかった。まさに法の下の平等ならぬ「和歌の前に平等」があった。日本人が魂のふるさとに回帰するとき、その表現は大和言葉になる。逆に心が外向的になっているときには漢語を多用する。日本人は太古以来大和言葉の伝統を和歌によって維持し、日本人の精神的私有財産を保持してきた。】子どもの頃は全く分からなかった和歌ですが、40歳を超えて、漸く良さが分かりかけてきたかもしれません。右、左にかかわらずオススメの一冊です。2024/11/03
yurari
3
大和言葉の美しさを再認識できた。/明治以降の歌人は語彙の出自に無頓着。文学的に見て新しい効果だけを狙うのは言霊意識が抜けている/一つの国語は一つのものの見方。日本語は、日本人の歴史を通じて日本人に支配的に働きかける力でもある/日本語は日本人が太古より客観世界を「日本人の精神的私有財産」化したものの総体であり、そのうちで最も価値高い部分は大和言葉で作られた和歌であろう/日本語という美麗な織物を作り出すには、自由詩とか現代語散文という横糸だけでなく、神代から続く和歌や俳句など、縦糸に相当するものが必要/2023/04/09
naniwoyomu
0
おすすめ。 #興味深い #日本を知る