内容説明
御代替わり「令和」のいまこそ知りたい日本建国。最新科学が明らかにした「神武東征」はあった、そして、「日本書紀」には真実が書かれていた。―科学が証明した日本の古代史。
目次
第1章 日本人のルーツを解き明かす
第2章 韓国國立中央博物館“古代史年表”の衝撃
第3章 東アジア『正史』の記す日韓の建国史
第4章 神武東征を裏付けた「大阪平野の発達史」
第5章 神武天皇はいつ即位されたか
第6章 女王国の都・邪馬台国はここにある
第7章 大和朝廷は如何にして統一されたか
第8章 邪馬台国東遷論・邪馬台国畿内説を洗う
第9章 “著名人”の古代史論を洗う
終章 なぜ、戦後の古代史論は正気を失ったか
著者等紹介
長浜浩明[ナガハマヒロアキ]
昭和22年群馬県太田市生まれ。同46年、東京工業大学建築学科卒業。同48年、同大学院修士課程環境工学専攻修士(工学修士)。同年4月、(株)日建設計入社。爾後35年間に亘り建築の空調・衛生設備設計に従事、200余件を担当。一級建築士、技術士(衛生工学、空気調和施設)、公害防止管理者(大気一種、水質一種)、企業法務管理士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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南北
27
著者は多くの学者が中国や朝鮮から来たと主張する日本人の起源を核DNAのゲノム解析から明確に否定しています。また神武東征の説話も大阪平野の形成過程から紀元前50年前までの時代だとしています。歴代の天皇の在位年を「春秋年」から計算するあたりまでは良かったのですが、邪馬台国の話や「著名人」たちの古代史論批判あたりは結論が性急すぎたり、納得できる部分もありますが、一方的な決めつけに終始していて、逆に受け入れにくいものになっているのは残念でした。2019/07/06
Makoto Yamamoto
16
著者2冊目。前回も同様のアプローチで日本・並びに朝鮮半島の古代史に切り込んでいた。 理系出身者らしく、理詰めで考えを進めていくのは、同じく理系出身の明智憲三郎氏と同じ手法。 これまでの古代史は小説家と同じで、種々の思いを繋げているような気がしていたが、今回も納得できる展開。 基本は、記紀が伝えていることが、実際にあったと信じることから始まるようである。神武天皇の、大和での支持者の増やし方はその後も受け継がれ、継体天皇では成功、弘文天皇ではそれができずに失敗したように思える。 2019/11/18
belalugosi6997
14
とんでもない書籍に手を出してしまったようだ。元はと言えば小林よしのり氏が著書の中で「欠史八代は実在しない」と断言。小林氏の主張には納得できないまま、本著を手に取る事に。すると、どう読んでも本著の主張、欠史八代実在説こそが正しい事が明らかに。小林氏は「欠史八代は男系固辞派のプロパガンダ」と断罪する。確かに、国民系男子の竹田恒泰氏が欠史八代実在説を強く主張してはいるが、ここまで証拠が揃えば記紀の正当性は確かである。自虐史観と言えば、明治維新以降が有名だが古代も…。終章は涙なくして読めぬ、敗戦国の苦悩が伝わる。2020/02/28
新父帰る
12
日本人のルーツで韓半島から来たという説が嘘であることを核DNAから解析。韓半島のBC1万年から5千年の期間、無人地帯だったことが韓国国立中央博物館の古代史年表で明らかになる。その後縄文人が韓半島に渡ったこともこの年表に記されている。神武東征を「大阪平野の発達史」から裏付ける手法には納得。更に、天皇の皇紀を実年=西暦で換算して、神武天皇の即位年を推定したのは画期的である。最後に、邪馬台国の所在問題について持論を展開。また、著名人の古代史論を大批判する中で、著名人が意外にも記紀を読んでいないという指摘には!。2019/07/04
かわかみ
8
エンジニアでアマチュア古代史研究家の著者による本だが、専門家の歴史学者、考古学者や著名な作家の説よりも説得力がある。天皇の年代を妥当な仮説と方法で推定し直して神武天皇がB.C.1世紀の人で日本書紀にある東征の記述は当時の大阪の水運に関わる地理の状況と合致することを示している点は秀逸。同時に邪馬台国が大和と並立した北九州地方の王権だったことが浮かび上がる。専門家や作家は記紀を無視したり、いいとこ取りをして持論を展開するが著者に丁寧に論破されている。専門家の見解で腹落ちしなかったことが、かなり明かされている。2022/04/13