感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
rakukko
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今まで特に気にならなかったのだが兄が日記(83年刊)で絶賛しており、興味津々なところに新刊、という良い機会に恵まれた。なので私が初めて読んだ作品は本冊1話目の「女ご衆漁」(書下ろし)なのだがこの話に完全に持ってかれてしまった。スーパーの食品展で出会った不思議な魚を巡るお話なのだが、現実味ある土着性とあっけらかんとした白昼夢が入り混じるような内容で非常に面白かった。他の収録作も読者に不思議な余情を多く残すような作品が多く唸らされた。当然の如く読まなかった事を後悔、時間かけて遡りたいと思います。2014/05/25
龍國竣/リュウゴク
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三年がかりで描き上げたという「曼荼羅華綺譚」。ゴッホこと芳一の半生をじっくりと綴りながら、最後は「ゴッホ青年がいまどうしているか…/今後どうなるのか知るところではない」。この不気味さを孕ませつつ、潔く突き放す終わり方に作者の真骨頂をみた。2014/02/06