出版社内容情報
『源氏物語』第一帖・桐壺巻を70章にわけ、可能な限り歴史的資料を提示しながら物語と照合。物語の背景を求めるだけではなく、一歩踏み込んだ物語の楽しみ方を提案する。
内容説明
『源氏物語』を読み解く鍵は冒頭巻にあった!引歌や漢詩など、物語の根幹に関わる様々な要素が凝縮されている桐壺巻。本巻11000字を70章にわけ、原文と鑑賞、現代語訳を掲載。可能な限り歴史的資料を示しながら、巧妙な伏線を、一言一句のがさず、ていねいに解説する。物語の背景を探るだけではなく、作者の紫式部が託した思いまでを読み解き、さらに一歩踏み込んだ味わい方を伝授する。知っておきたい基礎知識も満載。
目次
注釈篇(桐壺更衣物語;桐壺更衣の鎮魂;光源氏の臣籍降下(賜姓源氏の物語))
現代語訳篇
著者等紹介
吉海直人[ヨシカイナオト]
1953年、長崎県生まれ。國學院大學大学院博士後期課程修了。博士(文学)。国文学研究資料館助手を経て、同志社女子大学表象文化学部特任教授。専門は平安時代の物語及び和歌文学(特に『源氏物語』と『百人一首』)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
DK-2084
3
★★★★☆2023/12/11
roku7777
3
なるほど、プロはここまで考えるのか。源氏物語入門と書かれている本書であるが、中身はごりごりの論文である。古文の楽しさ、推理する楽しみ、評論の詳しさ。この本にはどれも入っている。まだまだ浅学なのでこの本の50%も理解してないと思うがプロはここまで考えるんだとわかっただけでも上出来であった。古語はここまで吟味するのか……。僕にはできない世界だと改めて思う。驚嘆。2021/04/12
むむむ
1
途中から目が上滑りしていくのをひしひしと感じ、流し読みにて終了。期が熟すのを待とう。 単純に単語を昔から今に置き換えるだけではなく、その背景にある和歌などの素養が試される。紫式部がいかにすごかったのかをまざまざと見せられる気がした。それと同時に、圧倒的な教養こそが、圧巻の作品を編み出すのには不可欠なのだろうと思わされる。2023/01/07
leiaikawa
0
読了。全く入門ではない!笑 この手の専門書にありがちな入門詐欺。桐壺どころか少なくとも幻巻までの親子夫婦関係は一通り知ってた方がよさげ。桐壺の巻って、ざっくり話の筋を紹介するようなものだとかなりすっ飛ばされてるようなもんなんだなぁと思った。特に更衣の鎮魂や更衣の母と帝(の勅使の命婦)とのやりとりなどは、ほぼ初見。それでもかなり興味深い視点が盛り沢山で、一冊に多くの研究の成果やこれから深まるであろうと期待される研究の展望などがこれでもかとまとまっている。物語のみならず歴史上の出来事にも触れている良書。2024/01/25
なるう
0
面白かった! 政治性とか登場人物の思惑とか、そうしたことにまで思いを巡らせて読んでみると、更に源氏物語を楽しめた。2021/08/02