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内容説明
「のらくろ」や「冒険ダン吉」だけではなかった!「非常時」と「決戦下」に生きることを強いられたマンガ家たちの、暗い夜の時代を分析する初の試み。
目次
第1章 「戦争」と「平和」―前世代のマンガ家たち
第2章 少年雑誌の「英雄」像―のらくろが背負ったもの
第3章 「非常時」から「決戦下」へ―子どもマンガの周辺
第4章 子どもマンガの「聖戦」―マンガ的なものの喪失過程
第5章 新漫画派集団とその周辺―近藤日出造・杉浦幸雄・横山隆一を中心に
第6章 「撃ちてし止まむ」―「決戦マンガ」を描いた人びと
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
印度 洋一郎
3
日本マンガ史の黒歴史である、戦前戦中の漫画家達の国策協力について、特高の資料も参照しながら告発する問題作。結論から言うと、大半の漫画家は積極的に国策に協力していた。横山隆一や杉浦茂も国策肝煎りの漫画誌に「撃ちして止まむ」な漫画を描いていた。そんな漫画家達に著者は「思想が浅い」「結局世俗な生き方しか出来ない庶民」だと手厳しいが、そんなもんだろう。多くの日本人もそうだったし。むしろ「国策に協力しなければ漫画が描けないなら、ボクは協力してでも漫画を描きたい」という手塚治虫先生の欲求に素直な言葉の方が共感出来た。2018/10/25