AはアセクシュアルのA―「恋愛」から遠く離れて

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AはアセクシュアルのA―「恋愛」から遠く離れて

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  • サイズ 46判/ページ数 280p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784898156131
  • NDC分類 367.9
  • Cコード C0095

出版社内容情報

この世はあまりに「恋愛中心」に回りすぎでは?
人と人との関係性のあり方は、ひとつひとつすべて違うのに。
小説家、歌人、文学研究者として活躍してきた著者が
アロマンティック(無恋愛)/アセクシュアル(無性愛)として
生きてきた経験から考え抜き、怒りと祈りを込めて綴ったエッセイ。
 
「恋愛に興味がない」と言っても、周りは無理解だった。
「そんなはずはない」「まだ出会ってないだけ」「恋愛をすれば人生が変わる」。
心ない言葉を投げかけられ、恋愛の話を共通の話題であるかのように振られた。
ある時、「アセクシュアル」という言葉に出会い……。
社会の規範や同調圧力、「当たり前」を押しつけられて、
自由に生きられない、とモヤモヤしている人へ。
一人ではない。一人でもいい。「変えたい」と思ってもいい。
ここにある言葉がきっとあなたの助けになる。
 
大反響のウェブ連載「A is for Asexual」に、大量の書き下ろしを加え、待望の書籍化!
日本では前代未聞のアロマンティック/アセクシュアルの当事者によるエッセイ群。
 
恋愛は誰でもする自然なもの? 恋愛をする人だけが幸福なの?
友情より恋愛が「上」なのはなぜ?
圧倒的な思考力と筆力で、この社会に問う。
「みんなそうだから」と当たり前のように恋愛をしてきた人の
価値観を揺さぶり、大切な気づきをもたらす。いま必読の書。
 
アロマンティック(Aromantic)=どの性別の人にも恋愛感情が湧かない人。
アセクシュアル(Asexual)=どの性別の人とも性的なことをしたいという気持ちを持たない人。
 


【目次】

【目次】
 
わたしはここにいる
introduction
第一部 〈恋愛〉のある世界に生まれてしまった
・他愛もない、天気の話 
・「あなたはまだわかっていないだけ」
・ラブストーリーはつまらない
・結婚は生活の面白くない部分
・「愛についての面談」
・「デートのつもりだったのに」
・私の「好き」が伝わらない
・恋愛関係とは何か(1)
・恋愛関係とは何か(2)
・誰よりも、恋愛のことを考える
・付き合おうかと思った人のこと
・この異世界で
 
第二部 アロマンティック/アセクシュアルとは何だろう
・「アセクシュアル」との出会い
・名乗ることについて
・「多分ヘテロ以外」
・「レズビアンかもしれない」
・「ほんとう」のアセクシュアル、とは
・性嫌悪について
・アロマンティック/アセクシュアルは差別されているか? 
・婚姻制度について
・義務と幸福
・あらためてセクシュアリティとは何かを考える 
・数の論理とマイノリティ
・アロマンティック/アセクシュアルとメンタルヘルス
・ASDでもある私のこと
 
第三部 私を生きる、アセクシュアルを生きる
・私がフェミニストになったわけ
・恋と恋愛と好きと友情と
・ロマンティックとは何か
・孤独について
・家族について
・友達について
・群れについて
・最愛のひと
・愛について
 
おわりに
番外編
「愛さない」ことが罪なのか ── 『ゲゲゲの謎』論
「愛さない」者は怪物なのか ── 『ジョジョ・ラビット』論
アセクシュアルを知るためのブックガイド

内容説明

「恋をしない人はいない」なんて、嘘。この世はあまりに「恋愛中心」に回りすぎでは?アロマンティック(無恋愛)/アセクシュアル(無性愛)の経験から考え抜き、怒りと祈りを込めて綴った。わたしたちはもっと自由になれる。人気の小説家・歌人によるエッセイ。

目次

第一部 〈恋愛〉のある世界に生まれてしまった(他愛もない、天気の話;「あなたはまだわかっていないだけ」;ラブストーリーはつまらない ほか)
第二部 アロマンティック/アセクシュアルとは何だろう(「アセクシュアル」との出会い;名乗ることについて;「多分ヘテロ以外」 ほか)
第三部 私を生きる、アセクシュアルを生きる(私がフェミニストになったわけ;恋と恋愛と好きと友情と;ロマンティックとは何か ほか)

著者等紹介

川野芽生[カワノメグミ]
小説家・歌人・文学研究者。1991年神奈川県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科単位取得満期退学。2018年に連作「Lilith」で第29回歌壇賞、21年に歌集『Lilith』で第65回現代歌人協会賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

いちろく

22
著者自身がアセクシャルでありアロマンティックであることを文章でハッキリと提示したエッセイ。小学生の頃からの内容に及び、そこに至り気がつくまでの葛藤や思いなどに深く及ぶ内容であり、単なるLGBTQAなどの提示とは一線を画す。一方で私を含む多くのマジョリティ側の人間は、ここまで提示して貰えて著者の思いの一端に漸く触れられた感覚であるし、気軽に当事者たちの気持ちに寄り添えた等はおこがましくて書けない。多様性の世と言われ少しずつ変わりつつあるのかもしれないが、本当の意味ではまだまだ、と突きつけられた感覚でもある。2025/12/10

ゆう

10
川野芽生のエッセイは差別や偏見などに怒り、その怒りのパワーで論理的な反論をしているので、感情と理性が対立するものではないことを示している。また差別への反論で別の差別を用いないように気を配っていて安心できる。 片思いは幸せだが自分が振り回されているようで嫌にもなる。また性愛への嫌悪(親族からの加害のトラウマ?)もある。かといって自分のアイデンティティを固定する必要はない。著者の倫理観があと少しで動物倫理に到達しそうで面白い。 短歌批評への切り口鋭い批評『幻象録』(泥文庫)を思い出す。2025/11/08

manabukimoto

7
「当たって砕けろ」的な恋愛アドバイスは現代においては不適切、ということを知れた。 アセクシャルの著者の半生記。恋愛至上主義の世界において、恋愛から遠ざかりたい著者が、言い寄る輩に「恋愛しません」を分かって貰うために恋愛を考察する。 「(社会に何の不満も感じていない)あなたのために作られたかのようなこの社会が、何を犠牲にして成り立っているのか、知っておいた方がいい。」p10 冒頭のこの言葉を心に刻む。 良きものとしての「恋愛」の新定義。 多くの学びを得る。 2025/11/14

くれないゆき

4
マジョリティであることの暴力性を、自覚して生きていく必要がある。アセクシュアルというマイノリティ側の感覚をもとに書かれたエッセイだけど、恋愛感情を抱く側としても、社会の歪んだ共通認識というか、曖昧な合意みたいなものに引き摺られて嫌な思いをしたなという記憶が溢れてくる。決して他人事ではなく、自分が自分として生きて、他人を侵略せず、あるがままの考えを認められるようにならなきゃいけない。難しいけれど、努力を怠ってはいけないし、私はマジョリティだと自覚して、無意識に言葉の暴力をあ振るわないようにしようと思う。2025/11/09

garyou

3
性的志向の前に「なぜ自分は自分のままだと受け入れられないのだろう」という点が気になった。いくら「自分はこうでしかいられない」と主張しても「そんなことはない」「知らないだけだ」と否定され続けること。否定してくる相手は善意である(少なくとも悪意はない)こと。そうして孤立してしまうせいか、この本でも紹介されているデッカーの『見えない性的指向』では大変細かく性的指向を分類している。おそらく所属するところがほしくなるんだろう。この本は違う。人は一人一人異なる特別な存在。そういうことなんだろうなと思う。2025/12/18

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