内容説明
本書はチューダー、スチュアート両王朝期、つまり、王を中心とする宮廷への権力集中化の過程において、当時の文学に対するパトロン制度がどのようなものであったかを再確認する作業をとおして、イギリス・ルネサンス期における文学の位置、文学者のプロフェショナルとしての意識形成を見ていく。
目次
八十年代以降のパトロン制度研究
芸術を支えるシステム―イタリア・ルネサンスのパトロン制度
宗教・政治・芸術を横切るシステム―イギリス・ルネサンスのパトロン制度
イギリス・ルネサンスの出版事情―文学者という「職業」の可能性
チューダー朝の歩みと共に―自負の詩人ジョン・スケルトン
宮廷をはるかに望んで―アイルランドのエドマンド・スペンサー
宮廷のエンターテイナー―ジョン・リリーの栄光と挫折
宮廷文人のポリティクス―ベン・ジョンソンと出版
大衆をパトロンとして―シェイクスピアの幸運