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内容説明
ポルトガルからの独立を目指し、ゲリラ戦に身を投じた男たちがアンゴラの飛び地カビンダの大森林マヨンベで操り拡げる戦い・極限状況の中の人間を描く。1980年度アンゴラ文学賞受賞作。アンゴラ文学わが国初の刊行。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark.jr
5
西アフリカの一国アンゴラの独立を目指して闘うゲリラ戦士たちの物語。三角関係的恋愛やアフリカで付き物の部族問題の要素もありますが、一番の読み所は部隊の司令官と隊員が独立の意味などを話し合う議論パートでしょう。明らかに当地アンゴラの読者を啓蒙する意識が強いですが、国や文化そのものが若いからこそ、出てきた作品と言えます。 「人は勉強しなければならない、というのは、それが他人の頭でなく自分の頭で物事を考えることができるようになる唯一の道だからだ。......真の革命の一番重要な目的とは、みんなを勉強させることだ」2024/06/25
印度 洋一郎
3
大変珍しい、アフリカ南部の国アンゴラの小説。1970年代初め頃、まだポルトガルの植民地だった時代に、アンゴラ北部の飛び地カビンダで戦う共産主義組織のゲリラ部隊の人々を描く。作者はポルトガル系アンゴラ人(つまり白人)であり、実際その組織で政治将校をしていたという。自分の実体験に基づく内容だが、部隊内の部族対立、嫉妬と不信が渦巻く人間関係、末端組織の苦しい内情等、赤裸々に描き過ぎたという理由で、独立後発禁になったという。全く知らないアンゴラの戦場を静かでペシミスティックな筆致で感じることが出来た。2017/09/11