内容説明
日本のデザイン界を創ったグラフィックデザイナーによる痛快エッセイついに復刊。土門拳、イサム・ノグチ、原弘、前川國夫、有元利夫、草野心平との交友録をはじめに、カッサンドル、サヴィニャック、ウォーホル、天才たちへのオマージュまで。日本と西洋の文化についての幅広い見識とユーモアあふれる人間描写が秀逸。
目次
A(写真家・土門拳;彫刻家・イサム・ノグチ ほか)
B(王者・カッサンドル;サヴィニャックはフランスの文化である ほか)
C(西洋と日本との接点;異種交配と新文化 ほか)
D(喜びも悲しみもデザイン賞;大金持ちになれない小金虫 ほか)
著者等紹介
亀倉雄策[カメクラユウサク]
1915年新潟県生まれ。1960年日本デザインセンター設立。1961年芸術選奨を受賞、1962年フリーとなる。1960年から1990年にかけ紫綬褒章、朝日賞、毎日芸術賞、勲三等瑞宝章、日本文化デザイン大賞、ワルシャワ国際ポスタービエンナーレ金賞・銀賞、ブルノ・グラフィック・ビエンナーレ銀賞・銅賞、ラハチ・ポスター・ビエンナーレグランプリ等、内外で数々の賞を受賞。1991年、文化功労者に選ばれる。代表作に、東京オリンピックポスター、ヒロシマアピールズポスター、NTTマーク等がある。1997年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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コットン
61
グラフィックデザイナーで有名な著者のいろんなところで書かれた四章(A~D)からなるエッセイ。鬼籍に入った方ばかりのA章の土門拳、イサム・ノグチ、原弘、前川國男が興味深かった。また中村誠の「女性」についてでは:モデルの山口小夜子とそれを撮る横須賀功光との(一種の戦いでもある)共同作業が垣間見れる。10人のイラストレーターによる著者の似顔絵も面白く、まとまった感じの表紙にもなっている和田誠やエアーブラシを使ったと思われる空山基が良い。2020/07/19
たつ
4
これはよかった。面白かった!昭和のグラフィックデザイナー第一人者はこんなに雄弁にしかも明るくシニカルに語りまくってくれるのか?特に痛快なのは第4章の言いたい放題エッセイ。小気味いい。デザインの現場のあらゆることが手に取るようにわかる。楽しく。いわさきちひろや原田泰治への素直な思いもいい。政治的でなく等身大の気持ち良さだった。2014/11/21
mizzan72
1
新年一冊目の読書は、復刊された亀倉雄策大先生のエッセイ。実名を挙げて、ここまで毒づいたエッセイって最近はあまりないと思うので、まずそこが新鮮だった。表紙の、和田誠さんの手による亀倉先生モチーフの東京五輪ポスターのパロディも秀逸。しかし、作家が生まれ育った地の原風景ってのは、その作品にどこまでも影響するものなんだなぁ。2014/01/03
ムカイジュン
0
亀倉雄策さんには北海道でお会いしたことがある。デザイン関係の仕事をしていた若い頃に。恐れを知らない若者は業界人が恐れをなして近づかないレジェンドにツカツカと近づき会話して自分宛のサインをねだったのだ。気さくでスキーの大好きなおじさんだったなあ。2017/08/20
フェリペさん
0
読み終えて、とてもすっきりした気持ち。日々の生活にあふれるデザインにもっと目を向けようと思う。2014/08/21