内容説明
22歳のときに日本を初めて訪れてから33年後、日本人に帰化したC・Wニコル。体全体で、北極、エチオピア、日本の自然を受け止め、行動してきた。自然とともに生きることは死とともに生きること。彼の生きるスタイルは、日本の未来を築いていくための一つの指針といえる。黒姫にあるアファンの森とともに生きる。C・Wニコルの生きる力とは。
目次
プロローグ 私が日本人になった理由
第1章 やりたいことを考え続けよう
第2章 私の中に息づくウェールズの騎士道と日本の武士道
第3章 つながりを見つければ、そこに希望がある
第4章 自然は人間にとってのすべてである
第5章 アファンの森で自然とともに生きる
著者等紹介
ニコル,C.W.[ニコル,C.W.][Nicol,C.W.]
作家。1940年、英国の南ウェールズ生まれ。17歳でカナダに渡り、北極地域の野生生物調査を行って以降、カナダ政府の漁業調査委員会技官、環境保護局緊急係官として十数回にわたり北極地域を調査。1967年エチオピア帝国政府野生動物保護省の猟区主任管理官に就任。シミエン山岳国立公園を創設し、公園長を務める。1962年に空手の修行のため初来日。1980年、長野県黒姫に居を定め、1995年7月、日本国籍を取得。作家として活躍する一方、エッセイや講演などを通じて環境問題に積極的に発言し続けてきた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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T2y@
40
かつては、どこの田舎にも居た、明治生まれのサムライ紳士。彼らとよく話し、そこから学んだと言うニコルさん。それを追体験するかの様な読後感。これが生前最後の書籍?今回もやはり、自然と森への敬意、疎かにする者たちへの怒りに満ちていた。2023/01/15
めめんともり
5
去年亡くなった著者の自伝ともいえる本。意地悪な読みをすれば、爺さまのホラ話、自慢話ともとれる。けれど、メディアを通じてだがニコルさんの風貌や声を知っているからか、嫌味はない。日本の自然とそこに住む人をこよなく愛し、そして真剣に憂いているのがひしひしと伝わってきた。私も何らかの形で自然と関わり合って生きていきたいと改めて思った。2021/10/04
はみ
4
「もし、あなたに何かやりたいことがあったら、心の中でやっているつもりになればいい。そうすれば心が先に行って、そのあと、体がついていく。」 --経験で掴んだ知恵と、受け継いだ古いウェールズの知恵、イヌイットの知恵、そして日本の知恵。己を省みて、項垂れるしかない。自力で知恵を掴むことも、受け継ぐこともせずに来たのだから。 日本人としても一人の人間としても、来し方行く末を考えさせられる本。2014/10/30
snoringdog
2
良い本でした。これだけ豊かな経験と人間性、知性をお持ちの方がもうこの世にいないということが、残念でなりません。自分の人生が薄っぺらく感じました。自然や生き物に向き合う姿勢や日常のなかでのそれらとの共生について、考えさせられます。2020/08/30
Daisuke Toyoda
2
ニコルさんの自伝。目から鱗です。北極でイヌイットや自然からニコルさんが学んだこと、日本の自然や文化にたいする思い、ニコルさんの哲学。何度も読み返したい本。2013/02/13