磯崎新+篠山紀信 建築行脚  12<br> ゆらめくアール・デコ クライスラー・ビル

磯崎新+篠山紀信 建築行脚  12
ゆらめくアール・デコ クライスラー・ビル

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  • 商品コード 9784897370088
  • NDC分類 523

感想・レビュー

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ヴェネツィア

310
シリーズ第12巻はクライスラービルの登場である。1930年5月に完成。設計者はウィリアム・ヴァン・アレン 。完成後、約1年間は世界一の高さを誇っていた。これをいともあっさりと抜き去ったのが、かのエンパイア・ステートビルディングである。もちろん、高ければいいというものではないが、今マンハッタンに立って眺めてもスカイスクレイパー群の一つにしか見えない。ところが、これはアール・デコ建築の傑作なのである。外見から最も目立つ特徴は頂部アーチの金属的な輝きと意匠だろう。だが、よく見ると細部には鷲の頭部の装飾が⇒2022/04/05

夜間飛行

84
クライスラービルは大恐慌のさなかに完成し、高さ世界一を誇ったという。目を引くのは最上層のステンレス・アーチとジグザグの窓および内部のアール・デコによる豪華な装飾だ。それは1930年頃の工業デザインの粋ともいうべき徒花であるようだ。こうした建築は、自由経済競争から生まれながらそこからはみ出していく《余剰の蕩尽》であり、都市の欲望を束ねる象徴的機能を担ったという。アール・デコは短命に終わったが、都市の欲望は尽きることがない。世界一の高さを継ぐワールド・トレード・センターを、あの惨劇が襲うと誰が予想し得ようか。2019/07/11

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