感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
だいだい(橙)
18
図書館本。横山さんの短歌は文語体。口語調を読みなれている私にとってはややハードルが高い。文語だとたくさんの情報量を入れられるので、1首1首の密度が濃い。その分、重くなりがちだが、横山さんの語り口はさわやか。自然や生活を読みながら、誰かへの思慕がゆったりと語られる。口絵のお若い頃の写真がとてもかわいい。とても勉強になる一冊だった。2023/04/15
はち
6
清明さを感じる、恋愛歌集ということはよくわかるが、好き嫌いは分かれそうだな。テクニカルな点で行くと、解説にあったように比喩の巧みさは感じた。結構好きな歌も多かったんやけど、付箋貼り忘れた。「はつなつの、うすむらさきの逢瀬なり満開までの日を数えをり」こんなふうに思ってもらえたら嬉しいですよね、男性諸君。2015/03/24
denden_fish
5
眠る前に、横山未来子の歌集のページを少しずつ捲る。水面に、霧雨に、湖に、雨滴に、川底の陽光に、自らを同化していく歌人の感性は、タルコフスキーの映像に重ねる。 「さはさはと霧の這ひゐる水辺にてわれを導く腕のつめたき」2011/07/17
yumicomachi
2
第一歌集『樹下のひとりの眠りのために』全篇『水をひらく手』抄、他散文等収録。清潔で繊細で、芯の通った文体の歌群であると感じた。〈風に乗る冬の揚羽にわが上に一度かぎりの一秒過ぐる〉 散文では「届けられた手紙」が印象深い。2017/07/26
石井は生きている
1
澄む。/メモ:第二歌集の字余り・句またがり2014/09/29