出版社内容情報
Ⅰ主権の定義・Ⅱ法の形式および決定の問題としての主権の問題・Ⅲ政治的神学・Ⅳ反革命の国家哲学について、よりなる本書に、レヴィットのすぐれたシュミット批判論文を併録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またの名
14
「おれは決心したぞ——何をかは分からんが」というジョークが示す自己目的化した無内容な決断主義を批判的に見るレーヴィットの小論が付属した、ナチ政治学者の書。著者シュミットは例外状態において建前のではなく本当の主権者が論証をすっ飛ばして法と権利を停止させる決定を下すのが露わになる原理的構造に、法と国家の真理を認める。決定それ自体が価値で目的になり、何者にも先立つ始発点かつ最終審級として、永遠に時間を浪費するブルジョア的議論や反独裁を掲げながら独裁化する無政府的社会主義の欺瞞を暴けると期待しテンション↑で記述。2020/04/06
34
8
主権者は資本である(ババーン)。2020/02/28
Happy Like a Honeybee
8
政治学では著名な学者だが、あまり著書を見かけない。決められない政治…。独裁の概念が参考となった。例外状況を想定し、最後の審判を下す決定主義。権限集中がヒトラー独裁への道を辿ったのは皮肉である。事実上の最高権力と法的最高権力の結合が主権の根本的問題だろうか。2016/04/10
Haruka Fukuhara
7
表題作自体は実はすごく短いのが意外でした。2017/07/21
肉欲棒太郎
5
ロマン主義的対話、議会主義的討論に対して、シュミットは例外状態における独裁的決定を対置する。そこで福本伸行ファンとしては、『銀と金』に出てくる「民主主義は時間がかかりすぎるよな。時間をかけて…それでも決まればまだいい。決まらないってんだから話にならない」というあの名セリフを思い出す。2017/08/27