内容説明
「日本一の兵」と今に伝わる真田幸村だが、その前半生は謎の部分が多い。大坂の陣での超人的な活躍から「鬼のようなる」との風評も立つが、真の姿は、物静かで心優しく、腹を立てることの少ない優男だったようだ。それゆえ、女性からも愛されたのだろう、分かっているだけでも4人の妻と10人の子を持った。本書は、臆病で引っ込み思案な幸村少年が、激動の時代の流れの中で、多くの女性との出会いと別れを繰り返しながら、戦国武将として成長していく物語である。史実を踏まえつつ、想像力を駆使した展開によって、稀代の名将の人間的な実像が浮かび上がる。
目次
母の素性―生母・山之手殿は公家の出身?
シスコン―姉・村松殿を頼るいじめられっ子
初恋―高嶺の花「北条夫人」を慕う
初体験―相手は家臣・堀田作兵衛の養女
男色―信玄の娘・菊姫に救われる
三姉妹―人質生活もまた楽しからずや
女武士―忍城で甲斐姫と刀を合わせる
正室―名将・大谷吉継の娘を娶る
救出―関白・豊臣秀次の娘を側室に
兄嫁―義姉・小松姫に入城を拒まれる
嫉妬―正室・側室同伴の蟄居生活
庶子―将軍落胤が妹の嫁ぎ先の養子に
いざ大坂城―妻の後押しと茶々(淀殿)の歓迎
真田丸―甲斐姫の献策と初(常高院)の調停
影武者―命懸けで父を支える三女・梅
著者等紹介
鳥越一朗[トリゴエイチロウ]
作家。京都市生まれ。京都府立嵯峨野高等学校を経て京都大学農学部卒業。主に京都を題材にした小説、歴史紀行などを手掛ける(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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