出版社内容情報
中世初期、カロリング朝とオットー朝のはざまに佇む、一代限りの孤高の王、コンラート1世(在位911?918)。東フランクにおけるカロリング朝断絶の後、ドイツ成立史における里程標の1つに数えられるその「国王選挙」について、遺されたわずかな史料の精緻な分析を通して、ヴェールに包まれたその実態に肉迫する渾身の論考。図版多数。『あだ名で読む中世史』の著者岡地稔が、「あだ名」すら伝わらない孤高の王の足跡探索行に挑む!
内容説明
中世初期、カロリング朝とオットー朝のはざまに佇む、一代限りの孤高の王、コンラート1世(在位911‐918)。カロリング朝断絶の後、ドイツ成立史における里程標の1つに数えられる、その「国王選挙」について、遺されたわずかな史料の精緻な分析を通して、ヴェールに包まれたその実態に肉迫する渾身の論考。図版多数。
目次
第1章 序(国王選挙研究と本書の課題;九・十世紀交期東フランク=ドイツにおける権力構造―東フランク・カロリンガー王統の断絶をめぐる問題状況)
第2章 九一一年コンラート一世国王選挙(史料、事実関係、および研究史上の問題点;再検討コンラート一世国王文書第一番・文書認証者;事後承認節;プラスマンの事前選挙説)
第3章 『モンツァ本アレマニエン年代記』のテキスト構造(問題の所在と課題;『モンツァ本アレマニエン年代記』をめぐる書誌学的確認;『モンツァ本アレマニエン年代記』テキストをめぐって;小結論)
第4章 九一一年・シュヴァーベンにおける「騒擾」(tumultus)(課題の設定;九世紀末~十世紀初シュヴァーベンにおける国王権力と貴族群像;シュヴァーベン大公権形成史における「宮廷伯権力」;シュヴァーベンにおける「騒擾」―ツェトラー説の紹介と検証、自説の提示;小結論―コンラート一世国王選挙との関連に寄せて)
第5章 結び―考察行程のふり返り、およびコンラート一世国王選挙再構成の試み
著者等紹介
岡地稔[オカチミノル]
1952年愛知県名古屋市生まれ。1980年3月名古屋大学大学院文学研究科(史学地理学専攻西洋史専門)博士課程後期課程単位取得満期退学。南山大学外国語学部教授をへて南山大学名誉教授。専門は中世初期ヨーロッパ史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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