内容説明
生命は遙か昔に水中で誕生した―魚類をはじめ、貝、クジラ、イルカ、ワニ、亀などの水生動物から空想の河童、竜、人魚、蛇女神まで、原始の記憶を宿す生きものにまつわる神話、民俗、昔話、小説、詩などを渉猟し読み解く、神話の水族館!!動物・植物・鳥類・昆虫に続き、比較神話学の第一人者が積年の研究の圧倒的な蓄積を基に綴る第五弾!!参考図版100点余。
目次
1 神話の水族館(日本の神話;中国の神話 ほか)
2 魚の民俗(食文化;節供の民俗 ほか)
3 昔話・伝説の魚(日本の昔話;日本の伝説 ほか)
4 文学の魚・詩歌の魚(日本の文学;世界の文学 ほか)
著者等紹介
篠田知和基[シノダチワキ]
1943年東京生まれ。パリ第8大学文学博士。名古屋大学教授ほかを歴任。比較神話学研究組織GRMC主宰。著書・訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
NAO
72
世界中の水生動物や水性妖怪の神話や伝承を紹介している。とはいえ、作者は日本人なので、あげられている神話や伝承は日本のものが圧倒的に多い。古事記で「ワニ」と記されたものは本当の「ワニ」なのか「サメ」なのかという話や、水性妖怪の中での一番有名な河童の話など興味深い話は幾つかあったが、どれも浅く広くといった感じ。日本の神話の紹介だけでなく外国の神話や伝承にしても、もっとたくさん話はあるだろうに、もっと掘り下げられるだろうにと思ってしまうほど、浅く、中途半端。超初心者向けの本だった。2019/09/06
Vakira
39
葛飾北斎の「蛸と海女」や蛸の生態本を読んでその蛸の賢さに魅かれました。蛸にまつわる伝説・神話を知りたく、この本読んでみました。蛸の神話は殆ど無しでした。蛇が蛸に変身するといった話が3行程。ヨーロッパではクラーケンの神話として登場するかと思いきや、挿絵で1枚だけの登場。残念。蛇と龍に関する神話があったのは良かったですが、どれも簡単に表現され、神話の面白さは感じられませんでした。妖怪やもののけが登場しても、サラっと紹介されるので物語としての面白さ無しで勿体ない。広くなくていいですから神話の面白さ醸して欲し~い2019/09/06
takao
3
ふむ2022/07/10
桔梗屋
2
この手の博物誌的な書籍については、どうしても斯界の巨人である荒俣宏御大の作品群をかつて渉猟していた身としては、辛口の採点基準を設けずにはいられないのです。特に、水棲生物についてはかなり好みなので…記載にまとまりを欠くのは、むしろ博物誌的にはありがちだし、やむなしだとは思うのですが、正直、もう一歩踏み込んだ記載があっても。図版の豊富さにはうっとりできたし、「魚にまつわる短歌俳句」など、韻文まで広く素材を採っている点については、有難味が感じられるのですが…「神話」なら、20世紀初頭のアレとかも水棲ですしさー。2020/01/10
黒とかげ
1
うーん。全体的に深く踏み込まず紹介にとどめている。これ、といって特筆するべき箇所は見当たらず…。もう少し話題を絞った方が良かったかも。2019/08/08