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内容説明
西欧中世の闇を映す伝説の魔道書、その全容を明らかにする、待望の原典訳!オカルティストたちが渇仰し、ネオプラトニストたちが偏愛した、隠された知の宝庫の深みへと錘鉛を垂らすラテン語版からの全訳。韜晦に満ちた奇書の読み解きに欠かせぬ、註・解題・資料も充実!
目次
第1書(段階度数に関する知識について;降霊術とは何かおよびその諸特性 ほか)
第2書(まずこの知識にはどのように到達されるかを明らかにする;諸天の図像とその秘鑰の数々 ほか)
第3書(植物、動物、金属のうちに存する諸惑星の部分について;上述した三界つまり植物、動物、金属のうちに存する諸星座の部分について ほか)
第4書(霊の力能と堅牢さはどこから来るのか。また覚知と知性のはたらきの特性とは何であり、霊の特性とは何であるか、身体の、魂の特性および諸差異について;なぜ月の霊の活力はそれより下位なるものどもに引き寄せられるのか、また七つの惑星には何をもって燻香をなすべきであるか ほか)
付録 『ピカトリクス』を読むために(『ピカトリクス』大要―M・プレスナーによる亞版梗概;解題 中世星辰魔術『ピカトリクス』再発見の途―二十世紀諸賢による所見の紹介 ほか)
著者等紹介
大橋喜之[オオハシヨシユキ]
1955年岐阜生まれ。1989年以降ローマ在(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
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バケツ
3
キリスト教ベースに諸地域諸民族の思想や様々な自然哲学を混ぜ込んだ感じ。『ルネサンス自然学』に近い。日常の様々な問題を解決するための処置や儀式や祈りの語句にページが多く割かれている点は『古代へのいざない』に近い。よって辞書的な本のようにも思えるが、各章に挿入された小文に神と叡智への敬虔さが感じられ、とてもよい。また特に惑星について他書に出ていない記述が多く、非常に面白い。同著者の新刊『西洋占星術の起源 古代ギリシャの占星術』も気になるし、どれも『世界史と西洋占星術』とともに購入したい。ただ価格が…。2023/12/19
ヨシツネ
1
魔術書として名高い2018/01/19
Amethysteria
0
様々に援用されこそすれ、その全貌や解説すらもない、それ故に秘匿=オカルト的価値の高い魔術書。ネオプラトニズム的世界観に基づく様々な言い伝えの列挙。一つ一つを非科学的であると切り捨てるのは容易いが、寧ろその記述の意味付けや照応関係を理解し、その構造を目の前の現実に適用することこそ魔術の実践となる。その意味では、全文を暗記する必要はないが、通読し、どこに何が書いてあったか思い出し、有事の際に再読することで力となるであろう。