内容説明
誰もが知る『星の王子さま』の著者にして操縦士、第二次大戦従軍中に行方を絶ったアントワーヌ・ド・サン=テグジュペリ。『夜間飛行』『戦う操縦士』『人間の土地』など6つの代表作を「人間」「絆」「交換」のキーワードが導くイメージを手掛かりに丁寧に読み解く、画期的な作家・作品研究!!『小さな王子』(新訳『星の王子さま』)の訳者ならではの、原文を熟知した深い考察と、作品への愛情溢れるアプローチで圧倒する渾身の書。
目次
第1部 「人間」(「人間というもの」;「砂漠」のイメージ;「庭師」のイメージ)
第2部 「本質的なもの」(「本質的なもの」と「真実」;「目に見えるもの」と「目に見えないもの」)
第3部 「絆」と「交換」(「絆」のイメージ;「交換」のイメージ)
著者等紹介
藤田尊潮[フジタソンチョウ]
1958年生まれ。早稲田大学大学院博士課程満期退学。パリ第4大学DEA取得。現在、武蔵野美術大学教授。専門は20世紀フランス文学、フランソワ・モーリアック、サン=テグジュペリなど(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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小雪
2
サン=テグジュペリに関する人文書。『人間の土地』『夜間飛行』そして『星の王子さま』など多岐にわたる小説の分析と、更には友人への手紙での彼の心情の変化の分析と、サン=テグジュペリの文学に関する大作です。星の王子さまに出てくる言葉、動物、登場人物、時代背景、場面設定にはこんな意味があるんだ、と目からウロコな分析ばかりです。2017/10/16
すーさん
0
サン=テグジュペリの著作を彼の綴ったキーワード「人間」「絆」「交換」から読みといた作品研究。その生涯で決して多くはない作品数の中で、処女作『南方郵便機』から最晩年の『星の王子さま』、そして未完の『城砦』まで、そこに描かれたイメージの「連鎖」を通してサン=テグジュペリの見た世界、彼が目指したものを見つめる。時にその概念は容易に理解できない場面もあったけれど、私自身がサン=テグジュペリの著作を読んで感じたことが一つの「連鎖」として繋がってくるのを確かに感じた。作家を知ると、作品が深くなる…。2021/05/08
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