内容説明
だから、「歴史」の可能性は気持ちや思い入れ、ノスタルジーそして、雑本の一行にもある。気鋭の民俗学者が歴史につながる回復をもとめて総括する民俗学の新たな可能性!
目次
第1部 「歴史」の向こう側(「歴史」の「正しさ」について;柳田邦男と民俗学の忘れられた初志;「小さな集まり」に宿り得る知性;「無用の長物」の消息をめぐって ほか)
第2部 書物のこちら側(「現場」に開いた「文字」の力;古書市場という書庫;奇術、隠し芸となる;「金儲け」、如何となす可 ほか)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はと
13
「今、ある自分、<いま・ここ>という場所にしかとりあえず存在していないこの自分という意識の位置から見とおせる遠近法のなかでの、言わば一点透視の『社会』や『歴史』をこそ言葉にしたい。どのように自分と関係があるのかもよくわからないまま、外からいきなり異物として与えられる乾いた言葉、普遍的な知識としての『社会』や『歴史』ではなく、それらと<いま・ここ>の自分とのかかわりをこそ確かなものにしておきたい。」決して読みやすくはない本(一文が長い・日本語がわかりにくいetc.)だが、所々、おぉ、と思うところもあった。2014/01/12