内容説明
1970年代後半日本ニューウェイヴの黎明期、幻のロック・バンド「ガセネタの荒野」は、いかにして生まれ、いかにして「闘」い、いかにして消えたか?
目次
0 ここで僕が書こうとしているのは
1 駿河台の坂を下って右手にある
2 明大現音ゼミには
3 僕らはいつもドラマーを
4 山崎をドラマーに仕立て上げる
5 結局、僕らが夢想していた
6 いつのことだったろうか、ある日
7 先に述べたように、村田くんが抜けた
8 そのコンサートは“逆転する24時間”と
9 冷たい雨が降っていた
10 その頃既に、明大現音ゼミは
11 佐藤さんは吉祥寺の近くのアパートに
12 僕は、グループのリーダーという名の
13 いつだったか、何人かの人間が
14 ある時、僕は山崎の部屋で
15 僕らの名前の話を
16 だが、そろそろ終わりを
17 その後、僕は
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ULTRA LUCKY SEVEN
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ただただ、ガセネタの残された音源から聞こえる性急すぎる音、空間をつんざくギターの音、前衛にもポピュラーにも逃げていない浜野純のギターのソリッドさとは極端に対照的な、ただただナイーブで小心者で不器用な男の独白小説2010/12/29
澤水月
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再読9609222000/09/22
澤水月
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初読 930606
虫塚虫蔵
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物語は“速度”と“過剰”の徒である「浜野」と「山崎」という“天才にしてごろつき”の2人に著者である「僕」がいかにして出会い、バンドの結成、解散に立ち会ったかという事実に基づいており、その僥倖(スープニール)に対するオマージュ(返礼)のかたちをとっている。 癒しようのない“荒々しく性急な光輝く病”に冒された者たちの狂気と逸脱、狂おしいまでの滑稽さとばかばかしさと哀切が各ページに横溢しており、すぐれた「ヌーヴォー・ドキュマン」であるとともに、抱腹絶倒の“笑かす”読み物にもなっている。(菊田和郎) 2024/06/29